56歳女性が見た、難渋するシニア婚活男性の現実 50、60代の結婚の困難さは当人の問題にある?

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まずは、自分のことを下の名前では呼ばす、苗字で呼ぶこと。友達口調ではなく、ですます調で会話をすること。母親や姉が意に反するようなことを言っても、反論はせず「はい」と言って聞き流すこと。

「これって、ご実家ではお母さんとお姉さんに頭が上がらないということですよね。いくら遠くに住んでいるとはいえ、結婚したら家族になるわけだから、冠婚葬祭や年末年始は親族で集まることもあるでしょうし、そんななかで私うまく立ち回れるのか。私の性格ではうまくやれないような気がして」

不安を抱きつつも食事会が行われたのだが、その後、みつえは「やっぱり交際終了にします」と連絡をしてきた。

「お母様もお姉様も強烈なキャラクターでした。お母様は80代ですけどかくしゃくとしていらして、たかおさんの食事のマナーを口うるさく注意するんです。『そんなにお刺身におしょうゆをつけたら、塩分を摂りすぎるでしょ』とか。幼稚園児じゃあるまいし」

姉は姉で、最初はみつえを見下した物言いだった。

「大学はどちらだったの? たかおは、都内の一等地にマンションも持っているし、この年の男性たちよりも、はるかに稼ぎもいいし」

しかし、みつえの大学のほうがたかおよりもランクが上で、さらに年収も同等。自分で買ったマンションを持っていることがわかると、出はなを挫かれたような気まずい顔をしたという。

「そうしたお母様やお姉様の前で、何も言い返せずにいたたかおさんが、男として情けないというか、とても色褪せて見えてしまいました」

そして、こちらも交際終了となった。

アクティブな62歳男性の実態

そこからさらに見合いを続け、交際になったのは、しんいちろう(62歳、仮名)だった。東京隣県で自営業をしている。両親はすでに他界しており、親からマンション1棟を受け継ぎ、1階を事務所兼住居にしていた。

お見合いのときに、しんいちろうは「生涯現役でありたい」と仕事に対する意欲を見せ、「仕事が終わると、スポーツジムに毎日のように通って汗を流している」と、60代でもアクティブな自分をアピールしていた。

「すごく素敵な男性だったので、ぜひ交際したいです。これまでお見合いしてきた人たちの多くが、『定年したら、趣味を充実させてのんびりしたい』とおっしゃっていたので、今回の方は新鮮でした」

みつえは、いつになくこの交際には乗り気のように見えた。ところが、最初のデートを終えて、交際終了を出してきた。その理由がこうだった。

「食事を終えた後に、『僕の仕事場を見ませんか?』とお誘いを受けて、連れていっていただきましたが、一歩中に入ってびっくりしました」

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