56歳女性が見た、難渋するシニア婚活男性の現実 50、60代の結婚の困難さは当人の問題にある?

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その点、みつえは年収が1000万円近くあり、ローンの支払いを終えたマンションを持ち、預貯金があった。この年代の女性でも十分にお見合いが組める可能性があることを告げた。

実際、登録すると10件以上の申し込みがきた。そのなかで、まずは66歳のとしみつ(仮名)を受諾した。

「年齢は10個上ですけど、代々続く家業を受け継いで今も働いていらっしゃる。そこに興味を持ちました」

日程調整に入ると、としみつの仲人から「お見合い当日は、15分くらい仲人が同席してもよいか、女性様に聞いていただけますか?」と連絡が入った。好奇心旺盛で人見知りをしないみつえは、「いいですよ」と快諾した。

そして、お見合いとなったのだが、終えたみつえが、“お断り”を出しながら言った。「“ささやき女将”を思い出して、途中で私、笑い出しそうになりました」。

“ささやき女将”とは、以前、老舗高級料亭が不祥事を起こし、謝罪会見を開いたときの女将のふるまいを揶揄してついた称号だ。記者への答えに言葉を詰まらせる息子に、女将の母親が小声で耳打ち。それを息子がそのまましゃべったことで、周りから失笑をかったのだ。今回のお見合いは、まさにその逆バージョンだったという。

みつえによると、としみつの仲人は70代半ばくらい白髪の婦人で、としみつは自分が話したいことを仲人に耳打ちする。すると仲人が、それをみつえに伝える。そんな会話の形態だったというのだ。

「仲人さんも、その状況がまずいと思われたのか、15分くらいして『じゃあ、私はこれで失礼します』と席を立とうとしたんです。そうしたら彼が、『え~っ、帰らないでよぉ〜』って引き留めて(笑)。結局、最初から最後までお仲人さんが同席したお見合いでした」

肩書は老舗家業の社長とはいえ、家業での彼の立ち位置が透けて見えたお見合いだった。みつえは言った。「人のことは言えませんが、66歳にして初婚というのもうなずけました」。

母や姉に頭が上がらない56歳の男

そこからいくつかの見合いをしたのだが、うまくいかないまま数カ月が過ぎた。そして、同い年のたかお(仮名)と見合いをした。たかおは上場企業に勤めていて、年収もみつえと同じく1000万円近くあり、都内の一等地に2LDKのマンションを所有していた。

見合いから交際へ、真剣交際にも入った。このまま順調に結婚まで向かっていくのかと思ったら、みつえから「相談があります」と連絡が入った。

「お母様とお姉様が、都内に用事があって上京することになったので、『会ってほしい』と言われて。そこまでは、よかったんですけど、お2人に会う前に、注意事項がたくさんあったんですよ」

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