2006年がんで逝った男が遺した言葉に見えた情景 家族の懊悩と真贋と時代の空気が今にも残る

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<こんにちわ・・・
ハリスの妻です・・・
なぜ私が 主人のブログを 更新しているかと言いますと
先日 4月20日午前1時48分 すい臓癌の為 他界いたしました。
23日に葬儀を済ませ やっと落ち着いたところです。
この間入院した時に 癌が 発見され 既に手遅れでした。
その時に 余命半年と 言われたのですが
なんせ仕事人間でしたので 寝ずに仕事をして無理をしてました。
私は 手伝うこともできませんでした。
今月に入っても忙しく 無理しないでね・・・としか言えなかった。
本人には 胃潰瘍と言ってしまったのが いけなかったのでしょうか・・・
病院にも行かず 仕事が いっぱい入ったからと言って 徹夜を 繰り返してまして
4月11日に 会社で倒れ4日後意識は戻ったのですが・・・
18日に容態が 悪化
そのまま帰ってきませんでした・・・・
意識が 戻ったときに このブログを 気にしてましたので
今回初めて 主人のブログを 拝見いたしまして
たくさんの方々が 読んでくださってたんですね。
私のこともちらほらと・・・
うれしいような 恥ずかしいような・・・
これを読んでると まだ生きてるような気が してきました。
でももういないんですね。
いままで読んでくださった方々 本当にありがとうございました。
今回で 終了とさせていただきます。
このブログは ずっと残しておきたいと思いますんで
更新は ありませんが 時々 思い出してあげてくださいね。
それでは 皆さんもお体には お気をつけてくださいね。
本当にありがとうございました。
・・・・・ありがとう・・・・My Darling・・・・・・>
(2006年4月25日「みなさんありがとうございました。」)

仲間のブログに哀悼のメッセージ

訃報が投稿された後、常連の読者たちは戸惑いながらも哀悼のコメントを残し、自らのブログを持っている人はそこでもハリスさんの死を悼んだ。現存する仲間たちのブログにアクセスすると、いまでも「ハリスさん、心よりご冥福お祈りいたします」とのメッセージが読める。

ブログ仲間の中心人物だったある男性は「ブログ上とはいえ何かの縁なので、皆で追悼を呼びかけました。10年以上経ち、疎遠になった方やブログを辞めた方もたくさんいますが、たまに思い出したりできればいいなと思ってます」と当時を振り返る。

遺族とは連絡が取れなかったという。コメント欄で「ハリスの妻」さんに呼びかけたが返信はなく、ダイレクトメッセージ等でのやりとりもかなわなかったようだ。筆者も8年前から何度かダイレクトメッセージを送っているが、やはり返信は一度も届いていない。

おそらく「ハリスの妻」さんがブログにログインしたのは最後の投稿をした1回限りなのだろう。誰でも書き込める設定のまま放置されたコメント欄には、数日と経たないうちにスパム書き込みが連投されるようになった。その痕跡も当時のまま残されている。

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