そんな康平さんに転換期が訪れました。1年ほど婚活を続けてなかなか成果が上がらず行き詰まっていた頃、新型コロナウイルスの感染が拡大したのです。飲食店は軒並み休業したり時短営業したり。世間体としても毎晩飲み歩くわけにもいかなくなりました。リモートワークも浸透し、部下たちや取引先とはオンライン会議。かつてのように気軽に誘える状況でもありません。
もともとお腹ポッコリの康平さんは、コロナ禍でさらに太ってしまいました。そこで私は厳しい食事指導のあるスポーツジムをおすすめしたのですが、生活についてよくよく聞いているうちに、食生活を変えるだけでもかなり改善できるのではないかと思い至りました。
コロナ前は毎晩のように天ぷら、うなぎ、焼き肉とハイカロリーなものばかり。コロナ禍では外に出ずにコンビニのお弁当やUber Eatsに頼りきり。太って当たり前ですよね。本人も「味に飽きてきた」と言う。「でしたら、まずはご自身で料理をしてみたらいかがですか」とご提案しました。
料理を習ったら「目覚めた」
まったく料理をしたことがなかったという康平さんですが、「物は試し」と、どこかで「バターを使わないフレンチ」というのを習ってみたら料理に目覚めたようで、そこから料理教室に通うようになりました。
凝りだしたらとことん極めたいタイプなのでしょうね。だから経営者としてうまくいったのだと思いますが、調理器具もほぼ何もなかったところから、高い包丁を何種類も買いそろえるようになり、食器も和食用、洋食用、木のボウルまでそろえててんこ盛り状態に。キッチンの広いところに引越したくらいです。
そのうちバルコニーでパセリだなんだとハーブを育てるようになり、肉料理や魚介料理にパラパラ。もう完全に「趣味は料理」になりました。
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