また同時に、経営のトップダウンだけでは、笛ふけど踊らず、しかしボトムアップだけで経営が関与しないリスキリングは失敗に終わってしまいます。リスキリングは、経営と従業員が共創する全社プロジェクトに昇華させることが欠かせません。
リーダーは未来の「語り手」であるべき
この数年、新型コロナウイルス感染症により、経営者の手腕が大きく試されました。緊急事態宣言の影響が直撃しつつも変化を拒み、会社の未来に愛想を尽かして従業員が離職してしまった企業も多くあります。一方で、見事に事業を方向転換させて危機を乗り切り、コロナ禍で立ち上げた起死回生の新規事業を自社の中核事業にまで成長させた会社もあります。
本書において新しい働き方を実現するためには、「語り手」としてのリーダーの役割が重要だと記されています。リーダーがくるべき未来を表現し、新たな事業の方向性を示すことができない会社では、残念ながらリスキリングは進みません。従業員が具体的に将来どんなスキルを身につけるべきかが不明確だからです。
ときには、リーダーが自らリスキリング、例えばAIやブロックチェーンといったデジタル技術や脱炭素化に向けたグリーンスキルを身につけ、自社の新しい方向性を示すことも必要になるでしょう。
リスキリングの成否は、自社の変革の方向性を明確に示し、将来身につけるべきスキルを従業員に具体的に提示できるか否か、にかかっているのです。
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