もちろん、バランスのいい食事を心がけるのが基本。ラーメンや丼ものを短時間でかきこむような食事は、テストステロンを間違いなく下げていくので気をつけたい。毎日の食生活を見直し、足りない栄養素を補うことは、テストステロン低下にブレーキをかけるだけでなく、健康を維持するにも有効だ。
続いてストレス解消法だが、「コロナ禍で男性更年期を訴えてくる患者さんは確実に増えている」(田村医師)と言う。
「過度なストレスはテストステロンの最大の敵なので、前向きな気持ちになれるように、好きなことに没頭したり、人とコミュニケーションをとったりなど、刺激を意識的に求めるのがいいと思います。人と対話して笑うといった当たり前のことが実はとても大事です」
睡眠が不足したり、睡眠の質が落ちたりするとテストステロンの分泌が低下するそうだ。
「男性」をもっと知ってほしい
最後に、田村医師は「女性にも男性のことを知ってほしいと思います」と訴える。
「女性の体については、妊娠・出産というイベントがあるため、医学界やメディアでも取り上げられることが多い一方、男性の体については放っておかれがちです (苦笑)。男性の心身の健康はえてして根性論で語られがちですが、正しく知ることが大事。男女共に更年期に対する知識を持っていただきたいと考えています」
認知度が高いとは言えない男性更年期。超高齢化社会を生き抜くには「テストステロン」の可能性に注目してほしい。
(関連記事:【男性更年期】30代でも発症、気付きのサイン6つ)
(取材・文/熊本美加)
田村貴明医師
泌尿器科専門医、ロボット(da Vinci)手術認定医、テストステロン治療認定医。所属学会は日本泌尿器科学会、日本癌学会、日本抗加齢医学会(日本アンチエイジング学会)、日本メンズヘルス医学会など多数。
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