「1日3食の量は均等」が最適なのは痩せやすいから 統計で朝食のエネルギー比率は夕食の半分程度

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食が細く、一度に食べられる量が少ない人は間食で補うとよいと思いますが、一般に食事の回数が多くなると、一日の摂取エネルギーも多くなりがちです。朝から寝る直前までだらだらと食べ続けてしまう可能性も高く、プチ断食と反対になり、そのこと自体が肥満に結びつきます。

ヒトは、実際に食べた量よりも、少ない量を認識する傾向があります。「そんなに食べていないのに、なぜかやせない」という人は、食べている量をすべて認識できていないかもしれません。お菓子やフルーツ、甘味料の入ったスポーツ飲料……など認識していない摂取エネルギーが、食事の回数が多くなるほど増えていきます。

やはり食べる時刻を決めて、規則正しく食べるほうが、食べる量を把握できるうえ、ダイエットを継続しやすく、効果も出やすいと言えるでしょう。

朝・昼・夕の食事の量は均等がベスト

次は、食事の量の比率について考えます。

あわただしい朝はどうしても軽めの食事ですませ、比較的ゆっくりと時間がとれる夜に、たくさん食べてしまうという人は多いでしょう。統計でも、各食のエネルギー比率は朝食24%、昼食32%、夕食44%の割合となり、朝食は夕食の半分程度であることがわかりました(「令和元年 国民健康・栄養調査」厚生労働省)。特に、高度肥満者や肥満者は朝食の割合が低く、夕食の割合が高いという結果も出ています。

時間栄養学の考え方では、朝食は体内時計をリセットすることと、一日の活動エネルギーをとる必要があることから、ご飯やパンなどの糖質と、魚や肉、大豆などからタンパク質をしっかりとる必要があります。一方、夕食は、朝食ほどエネルギーをとる必要はありません。夜はほとんどエネルギーとして使われることがないからです。

外国の研究で、高度肥満(BMI35以上)の女性を対象に減量プログラムが行われました。朝食、昼食、夕食の摂取エネルギーを700kcal、500kcal、200kcalにしたグループと、200kcal、500kcal、700kcalにしたグループに分けて比較したところ、朝食にウエイトを置いたグループのほうが明らかに体重が減少し、内臓脂肪がたまりやすいお腹まわり(腹囲)の減少がみられました。

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