「1日3食の量は均等」が最適なのは痩せやすいから 統計で朝食のエネルギー比率は夕食の半分程度

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肥満を防ぐには食べる時間帯を考慮する必要がある(写真:Luce/PIXTA)
「努力しても痩せない」のであれば、体内時計と食の関係を知らずにダイエットしていたからかもしれません。2017年、体内時計のメカニズムに対する研究がノーベル生理学・医学賞を受賞しました。すべての細胞に時間遺伝子があり、その影響がどんどん解明されています。食事も、いつ、食べると体にいいのか、時間によって効果が変わります。本稿では、『脂肪を落としたければ、食べる時間を変えなさい(柴田重信著)』より一部抜粋・編集のうえ、時間栄養学の観点からより効果的に肥満を防ぐ方法をご紹介します。

一日3食はバランスがいい

一日に食べる量は同じでも、栄養がエネルギーとなって燃やされるか、脂肪としてたくわえられるかは、食事の回数や量の配分によって違ってきます。時間栄養学の立場で、まず食事の回数を考えてみましょう。

一日1食の場合、長い絶食時間のあと、一日分の食事をとることになります。1回の食事時間以外は、ずっと絶食しているということなので、かなりつらい断食になります。

そのうえ、絶食時間があまりにも長いと、絶食中は血糖値が下がりますが、その後、食事をとると反動で血糖値が高くなることも注意しなければなりません。過剰に多くなった血液中のブドウ糖は肝臓に取り込みきれず、脂肪となって体内にため込まれます。

それだけでなく、血糖値スパイクといって急上昇した血糖値を下げるためインスリンがたくさん出て、今度は急降下することが起きます。これが糖尿病をはじめとする糖代謝異常のみならず血管障害を引き起こしたりするのです。また、1回の食事では必要な栄養をすべてとるのが難しく、体の不調を招きがちになります。

一日2食の場合はどうでしょう? まず朝食は必ずとりたいものです。朝、体内時計をリセットするためには朝食は欠かすことができません。朝・夕の2食か、朝・昼の2食かという選択になりますが、やはり2食では必要な栄養をとるのが難しく、エネルギー不足になりそうです。昼食を抜いた場合、空腹時間が長くなることも夕食後に血糖値を上げる要因になってしまいます。

その点、一日3食は、血糖値の上昇を防ぐという意味で、いちばん優れています。朝食をとると、昼食後や夕食後の血糖値の上昇を防ぐことが知られています。食事の回数を3回にすると、朝食から夕食のあいだに長い絶食時間をつくらないですむので、血糖が安定するのです。

ただし、夕食に食べすぎてしまうと、余った血糖は脂肪としてたくわえられるので、夕食の食べすぎは避けなければならないのは言うまでもないことです。

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