「1日3食の量は均等」が最適なのは痩せやすいから 統計で朝食のエネルギー比率は夕食の半分程度

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プチ断食を挫折してしまうとしたら、夜の食欲にあるかもしれません。がんばってダイエットを続けてきたのに、夕食後、無性にお腹がすいて冷蔵庫をのぞき込んだり、コンビニにお菓子やカップラーメンを買いに走ったり。そんな経験はだれにでもあると思います。

こうした行動は、意志の弱さとは関係ありません。夜遅い食事が習慣化すると、レプチンという食欲を抑えるホルモンの働きが弱まるため、無性に食べたくなるのです。

夜のドカ食いは、言うまでもなく、摂取エネルギーがオーバーになるので避けたいことですが、それだけではありません。夜の食事は体内時計を遅らせて、外界とのずれを大きくしてしまうのです。

食事は、朝の時間帯にとると、体内時計を前に進めてリセットし、夜の時間帯にとると体内時計を遅らせてしまいます。同じ食事なのに、時間帯によってまったく逆の方向に作用する不思議な性質をもっています。

マウスの実験でも、ヒトの朝食に相当する時間にたくさん食べた場合は体内時計が進み、ヒトの夕食に相当する時間にドカ食いした場合は体内時計が遅れることがわかりました。

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さらに、朝食の前に16時間の絶食時間を、夕食の前に8時間の絶食時間を設け、一日の食事の量は変えず、朝食と夕食の配分をいろいろなパターンに変えて、体内時計の状態を調べました。

すると、朝たくさん食べた場合や朝食と夕食で均等に食べた場合は、朝食後に体内時計がリセットされましたが、夕食の量を増やすと、朝食の前に16時間という長い絶食時間をとったとしても、体内時計は遅れてしまったのです。

一般に行われているプチ断食では、絶食時間を守りさえすれば自由に好きなだけ食べていいことになっていますが、時間栄養学的にみると、どんなに長い絶食時間を守っても、「夜のドカ食い」はすべてを台なしにするということを覚えておいてください。

柴田 重信 早稲田大学理工学術院先進理工学部電気・情報生命工学科教授

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しばた しげのぶ / Shigenobu Shibata

早稲田大学先進理工学研究科電気・情報生命専攻薬理学研究室教授。1953年生まれ。1976年 九州大学薬学部薬学科卒業。1981年同大大学院薬学研究科博士課程修了。薬学博士。早稲田大学人間科学部教授などを経て、2003年より現職。日本時間栄養学会会長などを務める。監修書『食べる時間を変えれば健康になる』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、共著書『Q&Aですらすらわかる体内時計健康法-時間栄養学・時間運動学・時間睡眠学から解く健康-』(杏林書院)、『食べる時間でこんなに変わる 時間栄養学入門 体内時計が左右する肥満、老化、生活習慣病』 (講談社ブルーバックス) など多数。

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