5年後のメディアは、どれだけ楽しくなるか? 3カ月、ニューヨークで徹底取材します!

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例えば、「これからのメディアは食っていけるか」「稼ぐことができるのか」という話題についてである。筆者自身も大変関心の高いトピックであり、これについては、従来の広告モデルは限界でいかに課金モデルを築くか、はたまたそれ以外に物販やイベント収入など新しいマネタイズモデルを発掘できるか、といった議論がなされる。

しかし、これは業界内での話に過ぎない。業界論を離れて、メディアを消費する顧客、読者の立場に立ってみるとどうだろうか。根本的にはそれらの議論は「どうでもいい」ものである。メディア体験がより面白く、深く、素晴らしいものになることを読者は求めている。しかも、その望み通り、メディアは今、すさまじい勢いで面白いもの、楽しいものになりつつあるのだ。

そうした「読者本位のメディア論」が今の日本に欠けているという問題意識に基づき、本連載では「メディア体験の未来」に焦点をあてて、米国とりわけニューヨークでの最新事情を伝えていく。

メディア+テクノロジー=ずっと楽しい

それでは実際にどのような新しいメディア体験がありえるのか。そして、どのようなメディアが時代の主役になるのだろうか。連載を始めるにあたってサマライズしておきたい。

重要なポイントのひとつは、コミュニケーションの領域とテクノロジーの領域の最先端との融合である。どういうことか。米国内だけでも1億人以上のユーザーを持ち、とりわけ若者を虜にしているのはスナップチャットやインスタグラム,ワッツアップといったコミュニケーションアプリだ。大手の報道機関も新興メディアも、新たな読者の獲得、新たな関係構築のためにこうしたカジュアルなアプリを積極的に活用している。

その様子は、たとえばこの記事「The Creative and Offbeat Ways Journalists Are Using Snapchat」に詳しい。気軽にアプリを開き、友達の投稿を読む感覚で、最新の報道をカバーすることが出来るということだ。

もう1つのテクノロジーの領域では、ドローンやオキュラスリフト、ゴープロといった、日々我々を騒がせている最先端の技術がメディアを変えようとしている。

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