時間術と仕事のパフォーマンスの相関は弱い?
浜の真砂は尽きるとも、世に時間術の種は尽きまじ。カレンダーへのスケジューリング、To Doリスト、メールタイムの設定、作業時間の計測など、世の中には時間管理のテクニックが大量に存在し、それぞれが「この手法で時間を有効に使うことができる」と主張しあっています。
しかし、実はこれらの手法にはどれもたいした根拠がなく、それどころか仕事のパフォーマンス改善に効かないという報告もかなり多いのです。
にわかに信じがたい話かもしれませんが、時間術の効果について調べた複数の研究が、それぞれのテクニックと仕事のパフォーマンスのあいだに弱い相関しか見出していないのはまぎれもない事実です。
コンコルディア大学などが2021年に行った調査を見てみましょう。研究チームは、1980年代から2019年までに発表された時間術の研究から158本を選び、約5万3000人分のデータでメタ分析を行いました。
メタ分析とは、過去に行われた複数の研究データをまとめて大きな結論を出す手法のことです。大量のデータを使うぶんだけ精度は高くなり、単独の研究を参照するよりも確からしい結論を導き出すことができます。その意味で、データの信頼度はかなり高いと言っていいでしょう。
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