奨学金「調べる学生」「調べない学生」に生まれる差 返済額が「百万円以上」少なくなる納得の理由

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[座談会参加者]
A…地方国立大学の理系学部、男子4年生
B…地方私立大学の看護学部、女子4年生
C…地方医療専門学校の理学療法学科、女子2年生
D…都内私立大学の文系学部、男子3年生

高校生の時から奨学金について知っておくべきこと

千駄木:2017年からJASSOが給付型奨学金を新設してから、同制度はさらに拡充されたと言われていますが、この中で給付型を受給しているのはCさんとDさんぐらいなんですね。

A:実は僕も給付型を申請したかったんですよ。

D:「実は」じゃなくて、みんな「もらえる」なら「もらいたい」ですよね。

B:私の場合は修学資金だから話は別だけど、返済義務がないのはうらやましく思います。

A:確かに、Cさんみたいに高校時代から、もっと早く給付型奨学金について知っておくべきだったなとは思います。というのも、大学入学後も申し込める給付型奨学金は結構あるんですよ。それを僕は全然調べずに、しかも、そういう存在があるということすら知らずに、大学に通っていますからね。

D:奨学金に関する報告ってキャンパス内の掲示板か、大学専用のポータルサイトやメーリスぐらいでしか情報が回ってこないんですよね。掲示板なんて誰も見ていないから、だいたい申込期限が終わっている。

A:そうなんですよ。

千駄木:連載でも、給付型奨学金をもらっている現役の大学生に話を聞いたことがあります。彼の場合、1年生の終わり頃に、企業や財団など民間の給付型奨学金があることを、大学のポータルサイトを通じて知ったそうです。40〜50もの団体の奨学金の募集案内が掲載されていて、それを目にしたときは「奨学金ってこんなにあるんだ」と驚いた……と語っていました。

A:自分も、調べてみたら1~2年生でも申し込めたり、成績が良ければ申請できる奨学金もあると知ってからは、貸与型を借りていることもあって「もうちょっと早く存在を知っていれば、今よりも生活が楽になっていたのかもな」と思うこともあります。

千駄木:将来的な返済額も、給付型奨学金に採用されてれば百万円以上、少なくなる可能性もありますしね。自治体や企業・財団の奨学金は月額数万円程度ですが、数年給付してもらえれば、そこに生まれる差は本当に大きいと思います。

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