D:貸与型と給付型、両方借りている身からすると、情報収集は本当に大事。「成績上位者だけが選ばれる給付型奨学金」の情報をつかめば、それが勉強のモチベーションにもつながりますよね。勉強すればするだけ、お金がもらえるんですから。
A:部活で後輩たちが「給付型奨学金を受ける」という話をしていると、「そんな制度あったんだ」と思うこともあるし、自分だけが知らない間にクラスメイトたちが応募していたり、オリエンテーションで隣の席に座った子に「給付型奨学金の申請間に合った?」とか言われると、ちゃんと調べておけばよかったな、と常々思いますよね。だから、もう一度、高校生から今の大学に入り直して、自分の条件に合いそうな給付型奨学金について、もっと調べ直したいですね。
D:でも、条件面で合う給付型奨学金そのものがまず少なくて、学生課から手続きの申請書をもらうのも、結構煩雑。だから、これは嫌みではなく、仮にAさんが大学から申請していたとしても、途中で面倒になってやらなかったと思いますよ。
奨学金をめぐる環境は変わってきている
千駄木:ここまでの話を聞いていると、Dさんは結構、奨学金制度をいろいろと調べてきているようですね。
D:奨学金と言うと、JASSOから「借りる」と思われがちですが、今はもう民間企業や財団から「もらう」時代なんです。要は、企業が学生たちにお金を配っているんです。そういう給付型奨学金はたくさんあるのに、「多分申請には通らない」と思って、その選択を考える人は少ないと感じます。
A:事実、自分は一切そういう情報を知らなかったから、JASSOから貸与型を借りるに至ったんですよね。
D:例えば僕が今、受給している財団の奨学金は、大学が推薦してくれたものなんです。その財団が奨学金を支給する大学の大学生・大学院生の予定人数は全部で60人で、僕が通っている大学の推薦人数はたったの2人だったのですが、そのもうひとりの受給者とは相当仲良くなりましたよね。特にその人とは、別に学業などで競争したわけでもないのですが、一緒に闘ってきた同志というか……。ちなみに、その財団の奨学金の授与式では、同じ奨学金を受給している他大学の学生たちも集まっていたので、自然とコミュニティができて人間関係も広がりました。
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