ロシア併合で激化する「市民への攻撃」悲痛な現場 日本人写真家がとらえたザポリージャの今

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ロシア軍による砲撃で30人が犠牲になった現場。9月30日、ウクライナ・ザポリージャ市(写真:筆者撮影)
クリミア大橋爆破への報復だとして、ウクライナ全土への攻撃を強めているロシア軍。市民への無差別攻撃は、プーチン大統領が署名したウクライナ4州の併合条約をきっかけにすでに激化していた。4州のひとつ、ザポリージャ州を拠点に撮影を続けている写真家・尾崎孝史氏によるウクライナリポート7回目。
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「ウクライナ4州併合」のその日・・・

9月30日、モスクワ赤の広場にこんなメッセージが掲げられた。

〈ドネツク ルハンスク ザポリージャ ヘルソン 永遠に一緒だ!〉

プーチン大統領によるウクライナ4州の併合を宣言する演説は、午後3時(日本時間午後9時)に予定されていた。併合なんて、そんな強引なことができるのか。筆者は暮らし始めて半年になるザポリージャ市のアパートで朝食の準備をしながら考えていた。

「ドゥオーン」

コーヒーメーカーの湯が沸く音をかき消すように野太い音が聞こえた。警戒警報が街に響いた。金曜日の午前7時15分頃。朝が早いウクライナでは通勤時間にあたる。

午前8時半、自転車でザポリージャ市中心部にある倉庫に到着した。筆者はドネツク州にある港街、マリウポリの避難者らが立ち上げた人道支援のためのボランティア団体に同行して撮影を続けている。20名ほどのメンバーがスマートフォンに飛び込んできた情報に見入っている。先ほど耳にした音はミサイルが着弾したときのもので、多くの犠牲者が出ているらしい。

次ページ死者は30人、負傷者は88人で全員が民間人
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