ロシア併合で激化する「市民への攻撃」悲痛な現場 日本人写真家がとらえたザポリージャの今

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食糧配給を手伝うボランティアのセルゲイ(右端 赤色のベスト) ロシア軍占領地からの避難者を含め、生活困窮者にパンや缶詰などが配られていた。10月1日、ザポリージャ市中心部(写真:筆者撮影)

ザポリージャで生まれ育ち、重量挙げのトレーナーをしているセルゲイ・イワーネシ(37)。市内で食糧配給の手伝いをしながら、こう答えた。

「ロシアは私たちの土地へ突然攻撃を始め、今度は併合宣言です。ザポリージャ原発も恐ろしい状況です。ロシアとともに、なんて考えられません」

今年2月の開戦直後、市内中心部にまでロシアの戦車部隊が押し寄せたときの記憶は鮮明に残っている。占領地からの避難者を多くかかえるザポリージャ市の住民にとって、わが街もどうなるかわからない、という不安は拭えない。

ロシア軍の砲撃を受け崩壊した集合住宅で行方不明者を捜す消防隊員と、それをみつめる住民 ここでは11名の死亡が確認された。10月6日、ザポリージャ市中心部(写真:筆者撮影)

9月30日を起点に激化したザポリージャ市内への砲撃。10月14日までの2週間で70人を超える住民が犠牲になったという。プーチン大統領にとってウクライナが統治するザポリージャ州の北部3割ほどのエリアを攻め落とす野望が消えることはないだろう。

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