民間人410人の遺体、キーウ周辺の人々が語ること 米国人ジャーナリストが亡くなった現場付近は

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イルピンから避難してきたディアナ(右)と夫イエル、息子ダミール(写真:筆者撮影)
2月24日に始まったロシア軍のウクライナへの侵攻。ウクライナ国防省は4月2日(日本時間3日)、首都キーウ(キエフ)郊外のイルピン、ブチャなどを解放し、キーウ州全域を奪還したと発表した。
しかし、ブチャなどで多くの遺体が発見され、その凄惨な光景は国際社会に衝撃を与えている。
国際法違反にも関わらず民間人が襲われ続けているウクライナ戦争。3月にキーウ周辺で取材していた日本人写真家も、民間人が逃げ惑う様子を目撃していた。

アメリカ人ジャーナリストの死

開戦から18日目の3月13日。海外ジャーナリストの取材拠点になっていたホテルに悲しい知らせが届いた。

「取材中のアメリカ人が殺されたそうだ」

リーダー役のエストニア人記者がみんなにそう伝えた。

アメリカ人ジャーナリストの死について速報するBBC 3月13日 キエフのホテルにて(写真:筆者撮影)

亡くなったのはアメリカ人の映像ジャーナリスト、ブレント・ルノー氏(50)。米誌タイム関連の企画のためウクライナに入っていた。同行していた記者や運転手も負傷した。

キーウテレビ塔への砲撃でテレビ局の職員が亡くなるなど、地元記者の犠牲は伝えられていた。今回の戦争で海外の取材者が命を落としたのは、この日が初めてだった。

現場はキーウに隣接するイルピン市。キーウの中心部から北西25キロのところにある人口6万人ほどの街だ。そこには南北に流れるイルピン川がある。迫り来るロシア軍の侵攻を阻止するため、ウクライナ軍はイルピン川にかかる幹線道路の橋を爆破していた。

ブレントは別の橋を渡り、取り残された住民の取材をしようとしていたところ、ロシア軍の銃撃を受けたという。

現地はどうなっているのか。翌日、イルピンに向かった。

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