
アメリカ人ジャーナリストの死
開戦から18日目の3月13日。海外ジャーナリストの取材拠点になっていたホテルに悲しい知らせが届いた。
「取材中のアメリカ人が殺されたそうだ」
リーダー役のエストニア人記者がみんなにそう伝えた。

亡くなったのはアメリカ人の映像ジャーナリスト、ブレント・ルノー氏(50)。米誌タイム関連の企画のためウクライナに入っていた。同行していた記者や運転手も負傷した。
キーウテレビ塔への砲撃でテレビ局の職員が亡くなるなど、地元記者の犠牲は伝えられていた。今回の戦争で海外の取材者が命を落としたのは、この日が初めてだった。
現場はキーウに隣接するイルピン市。キーウの中心部から北西25キロのところにある人口6万人ほどの街だ。そこには南北に流れるイルピン川がある。迫り来るロシア軍の侵攻を阻止するため、ウクライナ軍はイルピン川にかかる幹線道路の橋を爆破していた。
ブレントは別の橋を渡り、取り残された住民の取材をしようとしていたところ、ロシア軍の銃撃を受けたという。
現地はどうなっているのか。翌日、イルピンに向かった。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら