民間人410人の遺体、キーウ周辺の人々が語ること 米国人ジャーナリストが亡くなった現場付近は

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火炎瓶を使ってでも守り抜く

再び救急車が到着し、後部ドアが開けられた。ストレッチャーにのったまま降ろされたのは高齢の女性だった。救急隊員が運搬用のベッドに移そうと、女性の背中に手を回した。すると女性は大声をあげて、手をばたつかせた。

イルピン方面から避難してきた女性 タンカに乗せられ救護所で介護を受けた(写真:筆者撮影の動画より)

イルピン方面からの避難者は、あの爆破された橋の下を渡らなくてはいけない。冷たい川の上にかけられた幅50センチほどの長い板を使って。病気を抱えた高齢者にとって、命の危機を感じながらの逃避行だったことだろう。

戦況が刻々と変化する中での避難について、救急隊員のボヴァ(25)が説明してくれた。

「5日ほど前まではたくさんの人を避難させることができていました。しかし、ロシアからの攻撃が増えたことで困難な状況になっています。いまは1日で400人ほどしか避難させることができません」

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