火炎瓶を使ってでも守り抜く
再び救急車が到着し、後部ドアが開けられた。ストレッチャーにのったまま降ろされたのは高齢の女性だった。救急隊員が運搬用のベッドに移そうと、女性の背中に手を回した。すると女性は大声をあげて、手をばたつかせた。
イルピン方面からの避難者は、あの爆破された橋の下を渡らなくてはいけない。冷たい川の上にかけられた幅50センチほどの長い板を使って。病気を抱えた高齢者にとって、命の危機を感じながらの逃避行だったことだろう。
戦況が刻々と変化する中での避難について、救急隊員のボヴァ(25)が説明してくれた。
「5日ほど前まではたくさんの人を避難させることができていました。しかし、ロシアからの攻撃が増えたことで困難な状況になっています。いまは1日で400人ほどしか避難させることができません」
トピックボードAD
有料会員限定記事
政治・経済の人気記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら