若手芸人たちの“失態”を見て学習
稲田:お笑い番組もいくばくかの影響を与えてきたと思います。2000年代半ばくらいからの傾向だと思いますが、ひな壇芸人のトークにうまくオチがつかなかったり、笑いが少なかったりすると、司会者がそこに突っ込みを入れ、辱めて笑いを取るようになりました。トークの完成度を腐すこと自体が、メタな笑いになったんです。
子供たちは、そういうふうにスベった若手芸人たちの“失態”を見て、「ちょっとのミスでも台無しになる」「“正解”を知っておかなきゃ恥をかく」「ヘタなことは言わないほうがいい」と、言語化しないまでも学習しました。
金間:よくわかります。私は本の中で「若者がこうなったのは大人のコピーだからです」と書いていますが、そこに通じる気がします。
稲田:ビジネス界隈の大人って、すぐ「要点をペラ1枚でまとめろ」とか「結論を先に言え」とか言うじゃないですか。それを社会に出る前の若者たちが、ネットを介して真似してるだけなんですよ。
そうそう、若者の「結論を早く教えてほしい」で言うと、本についてのインタビューやメディア出演時に、結構言われるんですよ。「では、倍速視聴の背景を一言で説明してください」って(笑)。つくづく、そういう大人たちのコピーなんですよね、今の若者は。
(後半につづく)
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