コロナ経験者は肌寒い朝「脳梗塞の発作」に要注意 「血管の内壁」にダメージを与えるという事実

拡大
縮小
新型コロナ経験者は、これからの寒い季節、脳梗塞の発作が増えてくる可能性がある(写真:freeangle/PIXTA)

朝の気温がぐんと下がり、過ごしやすくなってきた。だが新型コロナ経験者は、これからの寒い季節、脳梗塞の発作が増えてくる可能性がある。

新型コロナ経験者「1年後」も脳出血2.2倍

「Nature」の最新報告は、感染から1年経っても脳卒中(脳出血および脳梗塞)のリスクが高いことを示している。

新型コロナによる神経系統への1年後の後遺症を調べるための、アメリカ退役軍人の全米医療データベースを使った、桁違いの大規模調査だ。

① 2019年にデータベースに参加し、2020年3月から2021年1月までに新型コロナに感染した約15万人
② 感染経験者と同じ2019年にデータベースに参加し、感染しなかった約56万人
③ それ以前、2017年からデータベースに参加し、感染しなかった約59万人

脳卒中の発症が増えたかどうか、それがコロナによる影響であるかどうかを確かにするため①と②だけでなく①と③を比較し、考慮している。

その結果、新型コロナ経験者は脳出血リスクが約2.2倍、脳梗塞リスクが1.5倍となっていた。

1年後の脳卒中リスクは、集中治療室での治療を受けた人で最も高く、次いで入院を要する重症者となり、脳出血はその傾向が顕著だった。ただ、脳出血も脳梗塞も、軽症者であっても1年後のリスクは有意に(統計上意味のあるだけ十分に)増加していた。

次ページ新型コロナは「血管の内壁」をあの手この手で傷つける
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【動物研究家】パンク町田に密着し、知られざる一面に迫る
【動物研究家】パンク町田に密着し、知られざる一面に迫る
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
【田内学×白川尚史】借金は悪いもの?金融の本質を突く教育とは
【田内学×白川尚史】借金は悪いもの?金融の本質を突く教育とは
作家・角田光代と考える、『源氏物語』が現代人に語りかけるもの
作家・角田光代と考える、『源氏物語』が現代人に語りかけるもの
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT