コロナ経験者は肌寒い朝「脳梗塞の発作」に要注意 「血管の内壁」にダメージを与えるという事実
では、今になってなぜ、脳卒中をわざわざ警戒するのか。一つには今年、オミクロン株の出現によって新型コロナの感染者が激増したことが挙げられる。
厚労省のデータによれば、2020年1月20日に国内初感染が確認されてから今年1月20日までの2年間で、国内の感染者数は累積でも約200万人に抑えられていた。だがオミクロンの猛威が始まると、わずか7カ月で約1900万人が上乗せされ、計2100万人超となった。
自覚のないまま脳卒中リスクの高い状態に置かれた人が、昨年末時点と比べてざっくり10倍に増えている計算だ。
そしてもう一つ、よく知られている通り、冬は脳卒中シーズンでもある。
脳卒中には、大きく分けて脳出血と脳梗塞がある。脳出血は、高血圧などが原因で、脳の血管が破れて脳細胞がダメージを受けるものだ。脳梗塞は、脳の血管に血栓が詰まるなどして血流が妨げられ、脳細胞がダメージを受ける。
これからの時期、朝の冷え込みが厳しくなってくる。特に、朝の血圧が高くなる早朝高血圧は危険だ。冷たい空気に触れると交感神経がいっそう刺激され、血管が収縮し、血圧を急上昇させる。
また、脳梗塞は汗をかいて脱水しやすい夏に比較的多いが、そのほかに不整脈を原因とするタイプもある(心原性脳塞栓症)。不整脈の発作も、血圧が高くなりがちな冬に向かって増えてくる。
血管の内皮をダメージから回復させることはできないのだろうか? 実は、誰にでもできる方法がある。
血管ダメージ回復にはまず「運動」
結論から言えば、今日から運動を始めよう。有酸素運動とスクワット、その継続だ。
内皮を守り、回復させるには、先ほど触れた内皮の自己修復機能をうまく引き出してやればいい。重要なのは、血管内皮細胞から放出される「一酸化窒素」(NO)という物質だ。NOは、
・血管の炎症や酸化を抑える ⇒老化予防
・血管のプラークの発生を抑える ⇒動脈硬化・脳出血の予防
・血栓を出来にくくする ⇒脳梗塞の予防
といった働きがある。
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