コロナ経験者は肌寒い朝「脳梗塞の発作」に要注意 「血管の内壁」にダメージを与えるという事実

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運動はNOの産生を促すことが、多くの研究でわかっている

ウォーキングやジョギング、サイクリング、水泳、ダンスや球技などの有酸素運動を行うと、文字通り体はより多くの酸素を必要とする。そこで内皮細胞からNOが分泌され、血管を拡張させて血流が増える。血栓予防や炎症抑制などの効果も同時に得られる。

特に、脚を中心とした下半身の運動が効果的だ。

太ももやふくらはぎは、重力に逆らって血液を心臓に送り返すポンプとして、太い筋肉がたくさん集まっている。それらを動かすことで、効率よくNOが産生される。スクワットなどの筋トレを組み合わせて筋肉を増やせば、より高い効果を得られるようになる。

ただし、数週間から数カ月以上は続けることが大事だ。短時間の運動でもNO産生は行われるが、やめてしまえばそれまでのこと。長期的な運動習慣とすることで、NOの産生効率が上がり、血管修復と体質改善につながる。

血管を守る食事、摂りたい「3つのもの」

血管を守り、強くする食事としては、3つのことを心がけたい。十分なタンパク質(特に魚)、良質の油脂類、色とりどりの野菜の摂取だ。

タンパク質は血管の材料に他ならない。日本人の食事摂取基準では、タンパク質の1日当たりの推奨量は、18~64歳男性は65g、65歳以上男性は60g、18歳以上女性は50gとなっている。

文部科学省の「食品成分データベース」で確認すると、例えば生姜焼きなどで食べる豚肉(ロース)だと、生肉100gに19.3gのタンパク質が含まれる。マグロの刺身100gにもおよそ20g程度含まれる。卵1個だと7~8g、絹ごし豆腐100gで5.3gだ。

3食しっかりと肉や魚などを食べないと、推奨量には届かない。動脈硬化を進展させるLDLコレステロール値を下げ、抗炎症作用も期待できる「オメガ3脂肪酸」(DHA、EPA)を多く含む点で、青魚を積極的に摂りたい。

油脂類は、サラダ油(キャノーラ油、紅花油、大豆油等)や、コーン油、ゴマ油に注意が必要だ。

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