コロナ経験者は肌寒い朝「脳梗塞の発作」に要注意 「血管の内壁」にダメージを与えるという事実

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こうしてみると、2019年末のパンデミック勃発当初こそ重い肺炎ばかりが恐れられていた新型コロナだが、もはや単なる「呼吸器感染症」としてくくることはできない。

そのこと自体は、多くの人が早い段階で気づいていた。血栓症などさまざまな器官・臓器の重い合併症や後遺症が、数カ月のうちに次々と報告されたからだ。

新型コロナは「血管の内壁」を傷つける

新型コロナ感染症の特徴の1つは、血管に直接的・間接的ダメージを与える、ということだ。

厚生労働省の挙げる新型コロナによる重症化リスク疾患の上位を見ても明らかだ。

●慢性の呼吸器の病気
●慢性の心臓病(高血圧を含む)
●慢性の腎臓病
●慢性の肝臓病(肝硬変等)
●インスリンや飲み薬で治療中の糖尿病、他の病気を併発している糖尿病

上記はいずれも「血管や血流にこれ以上問題が生じると、命に関わる病気」と言い換えることができる。肺や腎臓、肝臓は毛細血管の集まりだし、糖尿病も毛細血管がボロボロになる。心臓病や高血圧は説明するまでもないだろう。

いったい新型コロナウイルスは、私たちの血管のどこにどうやって悪さをするのか。数多くの研究を網羅的にまとめたレビュー論文が今年1月に発表されている。

新型コロナウイルスはまず、「内皮」と呼ばれる血管の内側の壁の細胞に感染し、炎症を引き起こしたり機能を損なわせたりして、血管に直接的にダメージを与える。

血管の内皮は、普段からさまざまな物質を出し入れして、多くの役割を担っている。血管を拡張・収縮させ、炎症や免疫を調節し、さらには内皮そのものの修復まで自分でやってのける。

しかし、そうした機能が妨げられると、過剰な免疫反応や炎症物質が生じ、血管に間接的にダメージが積み重なっていく。せっかくの修復作用も損なわれ、悪循環に陥ってしまう。

血管は私たちの体のどこにでも張り巡らされているから、感染による内皮の障害は、あらゆる臓器のあらゆる組織に生じうる。だからコロナの合併症や後遺症は、全身のさまざまな臓器・器官に起きてしまうのだ。

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