地球で最も高血圧なのは「キリン」という驚愕事実 上がおよそ250、下が200と異常なほど高いワケ
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ヒトと異なる環境に適応してきた動物たちの体には、ヒトとは異なる“進化のかたち”が刻まれています。
「エレガントで美しい仕組みもあれば、『そんなことで大丈夫なの?』と心配してしまうような大ざっぱな構造もある。優劣があるわけではなく、どちらの進化にもそれぞれの味わいがある」と指摘するのが、解剖学者で「キリン博士」としても知られる東洋大学助教の郡司芽久(ぐんじ・めぐ)氏です。
新著『キリンのひづめ、ヒトの指 比べてわかる生き物の進化』を上梓した郡司氏が、今回は「キリンの血圧」について解説します。
キリンが高血圧である理由は「長い首」
以前、「広島高血圧・生活習慣病研究会」という研究会に招待していただき、医師や研究者を相手に、キリンについてお話をしたことがある。
キリンと高血圧・生活習慣病研究のあいだに、いったいどんなつながりが……? と不思議に思う方がいるかもしれないが、キリンは現在地球に生息するなかで最も高血圧な生き物として知られている。その研究会のロゴマークに採用されてもいいのではないかと思うくらい、キリンと高血圧には深い関わりがあるといえよう。
キリンが高血圧な理由は、その長い首にある。2メートルにもおよぶ長い首を天高くもちあげているため、キリンの心臓は、はるかかなた上空にある脳まで重力に逆らって血液を上昇させなくてはならない。ほかのどの動物よりも高い血圧は、あのすさまじく長い首とともに進化してきたのだ。
これまでの研究によると、キリンの血圧は上がおよそ250mmHg、下が200mmHgほどといわれている。
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