キリン「長い足の半分は足の裏だった」驚きの事実 真ん中にある関節は「ひざ」ではなく「かかと」

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キリンの足の構造について解説します(写真:OrangeMoon/PIXTA)
ヒトとヒトとは異なる環境に適応してきた動物たちの体には、ヒトとは異なる“進化のかたち”が刻まれています。
「エレガントで美しい仕組みもあれば、『そんなことで大丈夫なの?』と心配してしまうような大ざっぱな構造もある。優劣があるわけではなく、どちらの進化にもそれぞれの味わいがある」と指摘するのが、解剖学者で「キリン博士」としても知られる東洋大学助教の郡司芽久(ぐんじ・めぐ)氏です。
新著「キリンのひづめ、ヒトの指 比べてわかる生き物の進化」を上梓した郡司氏が、今回は「キリンの足の構造」について解説します。

キリンの膝はヒトとは逆に折れ曲がる?

「キリンの膝って、ヒトとは逆の方向に折れ曲がっているんだね」

動物園でボーっとキリンを眺めていると、時折、そんな会話が漏れ聞こえてくることがある。

たしかにキリンの足の真ん中には、私たちの膝とは逆方向の“くの字”に折れ曲がる関節が存在するが、じつはそこは膝ではない。「かかと」である。関節のすぐ上をよく見ると、うっすらと浮き出たアキレス腱を見つけることができる。彼らは、長い足の裏をもち、かかとをあげてつま先立ちで生活をしているのだ。かかとがずいぶんと高い位置にあるだけで、関節の折れ曲がり方は、ヒトもキリンも変わらない。

では、膝はどこにあるのだろうか? 彼らの膝は、足の真ん中あたりではなく、もっと胴体に近い部分にある。お腹と同じくらいの高さだ。私たちの足は、長さの半分ほどが「太腿」だけれども、キリンの足は半分が「足の裏」なのだ。足の裏に相当する部分の長さは、70~80センチにもおよぶ。

●動物の足の関節の位置

(イラスト:浅野文彦)
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