40歳で人生の83%が「終わっている」という衝撃 40~50代の後半生をどのように生きますか?
視点を変えてみましょう。
人一人の一生を、「資源」と見立ててみます。例えば、ビジネスにおける経営戦略論では、資源は次の5つに分類されます。
「人」「物」「金」「情報」と、「時間」の5要素です。
そこで、ビジネスを人生に置き換えて考えてみます。人生における経営資源はいかなるものか。前述の算式で、後半生で最も希少になるのは「時間」だということがわかりましたよね。ここに経営戦略の基本のキを当てはめてみます。
経営戦略の基本中の基本とは、「限られた資源を注視する」ことです。
言い換えれば、「限られた資源」こそが、戦略の本来の出発点になります。限られているからこそ、有効な資源配分の決定とその運用が重要課題になる。それが戦略の本質です。
この考え方を企業から人生に応用すれば、自ずと答えが出ます。後半生の戦略とは、時間の「配分」と「運用」。そこから始まるのです。
もうおわかりですね。
「やるべき事」ではなく「やりたい事」に時間をつかう
これまでの延長線上での「やるべき事」ではなく、「やりたい事」に積極的に時間(資源)を配分しなければ、あっという間に後半生は終わってしまいます。自分が最もやりたい事は何かを見極め、そこに強制的に時間配分を行う――そんなストラテジー思考が必要になるのです。
かつてアメリカの心理学者フレデリック・ハーズバーグ(1923〜2000)は、「二要因理論」という説を展開しました。二要因理論では、人間の満足や不満足には2つの大きな要因があるとされます。1つ目は「衛生要因」、2つ目は「動機付け要因」です。
衛生要因とは、作業条件や給与、対人関係といった、それが整ってなければ不満足を招く要因を指します。一方、動機付け要因とは、達成感、自己成長、承認といった、やる気やモチベーションにつながる満足を招く要因のことです。
相転移の機を迎えた私たちが注目するべきは後者、動機付け要因のほうです。統合を迎える人生の段階では「目に見えないもの」、すなわち充実を感じられることに対して、より積極的に希少資源である時間を配分していくべきなのです。
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