奈緒、多忙の中でも「これだけは大切に」と思う事 「スクリーンには俳優の生き様がすべて映るんだ」

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力強くしなやかな演技で、様々なキャラクターに変貌する実力派女優、奈緒さん。吉田拓郎とプロレスが好きという意外な素顔に迫ります(写真:トヨダリョウ)

「さらば雑司が谷」「タモリ論」などの著書で知られる作家の樋口毅宏さんが、才能のある女性の魅力を掘り出す連載対談「樋口毅宏の手玉にとられたい!」。

今回のゲストは、福岡出身の旬な女優、奈緒さんです。2013年、ドラマ『めんたいぴりり』で女優デビューを果たしたのち、20歳で上京。以降、NHK朝ドラ『半分、青い』(2018年放送)、日本テレビドラマ『あなたの番です』(2019年)など人気作に抜擢され、着実に知名度を上げてきました。繊細で美しい女性像ながら、ひとたびカメラの前に立てば力強くしなやかな演技で、様々なキャラクターに変貌する実力派の女優さんです。

今回は、9月30日に公開された映画『マイ・ブロークン・マリコ』の制作秘話と合わせて樋口さんがお話を伺いました。

遺された人たちが明日をどう生きるかにつながる作品

樋口毅宏(以下:樋口):初めまして。本日はよろしくお願いします。平庫ワカさんの人気漫画が原作の映画『マイ・ブロークン・マリコ』、ひと足お先に拝見させていただきました。テーマ的には語弊があるかもしれませんが、面白かったです!

本記事はLEON.JPの提供記事です

奈緒:ありがとうございます! うれしいです。

樋口:奈緒さん演じるマリコは、主人公のシイノトモヨ(永野芽郁)と親友で、自死してしまう役。映画のオープニングから亡くなっている設定でした。

奈緒:私は子供の頃に父を病気で亡くしているので、自ら命を絶つ役はやるべきではないと、ずっと思い避けてきたんです。でも原作を読んで、遺された人たちが明日をどう生きるかにつながるような作品だと感じたので、出ることを決めました。

次ページ相当自分を追い込んで演じたのでは?
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