奈緒、多忙の中でも「これだけは大切に」と思う事 「スクリーンには俳優の生き様がすべて映るんだ」

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(写真:トヨダリョウ)

どんな時代や職業の役も、自分と同じ一人の女の子

樋口:これまで数々のドラマや映画に出られていますが中でもドラマ『あなたの番です』では、ちょっとサイコなストーカーのヤバい女の子を演じて、話題になりました。あのドラマはとにかく俳優陣がすごい顔ぶれ!

奈緒:初めにプロデューサーさんから「大御所の館へようこそ」と言われました(笑)。

樋口:アハハ。そして2020年に公開された映画『みをつくし料理帖』では、主人公の幼馴染である、あさひ太夫という吉原の花魁を演じられました。今の現実世界にいない役どころですが、どうやって演じようと考えましたか?

奈緒:生きている時代が違うので、そこをどう埋めるかは課題ですし、もちろん時代背景の勉強も大切です。ただ時代や職業が違っても、それは環境や選択によるもので、本来は自分と同じ一人の女の子なんですよね。そこを大切して演じていけば、役に近づけるし、役と親友になれるのかなって思いますね。

樋口:なるほど。 

奈緒:6月に『恭しき娼婦』という舞台に出させていただいて、初めて娼婦の役を演じたんです。その時に演出家の栗山民也さんに「観客はそれっぽさを求めるけど、絶対に娼婦っぽくやらないで。普通の女の子でいいんだよ」と言われて。男性をそんなに怖がらないとか、娼婦をしているからこそ細かい部分に生理的な反応として出ることはあると思うけれど、話し方を変に意識するのは違うと。

それはすべての職業においてそうだと思うんです。悲しみに溢れているような役でも、それこそ(『マイ・ブロークン・マリコ』の)マリコだってシィちゃん(永野芽郁)と線香花火をして笑った夜があるみたいに、悲しさ一色で染めてしまうのは嫌だなって。毎回、役と向き合う時はそう考えるようにしています。

樋口:本当にその通りだと思います。そして僕的に奈緒さんが出た作品の中で印象的だったのが映画『草の響き』(2021年)。あの作品は、もっと騒がれていいなと思います!

奈緒:いい映画ですよね。 

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