奈緒、多忙の中でも「これだけは大切に」と思う事 「スクリーンには俳優の生き様がすべて映るんだ」

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樋口:それを感じ取れるのもすごいですよ。田中裕子さんは、近年では名監督で知られる木下恵介生誕100年記念で製作された映画『はじまりのみち』で母親役をやられて、本当に素晴らしかったです。画面を支配するってこういうことなんだって圧倒されましたね。

奈緒:スクリーンに愛されている人ですよね。

樋口:映画を愛するのではなく、映画に愛されたという。

奈緒:はい。だから私もいつか、スクリーンに受け入れられるような女優になりたいって思っています。愛してほしいとまでは言わないですけど(笑)。『草の響き』の時も、監督に将来どうなりたいか聞かれて「スクリーンに受け入れられたいです」って言ってました。いつなれるかわらかないけど、それまで頑張りたいです。 

(写真:トヨダリョウ)

樋口:5年や10年では難しいですものね。いつか田中さんと共演できるといいですね。吉田拓郎さんとのデュエットは叶いましたから、田中さんとの共演もきっと叶います!

奈緒:うふふ!  やっぱり夢は口に出しておくものだなって思いますよね(笑)。

樋口:今後、やってみたい役柄はありますか?

奈緒:家族をテーマにした作品をやりたいです。人間はみな母親から生まれてくるものだし、形は違っても家族は誰もが一度は持つ共通のものだから。最近は母親の役をいただくことも増えてきて、積極的にやっていきたいと思っています。あとは「あなたの番です」でサイコパスを演じたので、真逆のエンパスと呼ばれる人たちも演じてみたいです。人の気持ちを感じすぎてしまって生きにくいという。すごく日本人的だなと思うし、邦画との相性はいい気がします。

樋口:これからがますます楽しみです。応援しています。最後にLEON読者の世代に向けてアドバイスをお願いします!

奈緒:よく年上の方から「愛嬌が大事だよ」って言われるんですが、逆に読者の方々のような年上世代もチャーミングな方っていて、魅力的だなと思うんです。だからあまり構えず、下の世代とたくさん話をしてくださるとうれしいなと思います。

樋口:今日はありがとうございました。 

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