奈緒、多忙の中でも「これだけは大切に」と思う事 「スクリーンには俳優の生き様がすべて映るんだ」
樋口:あの歌は油断すると泣いちゃいますよね。
奈緒:本当に(笑)。泣きたい夜にも聴きたいし、泣きたくない夜にも自分を奮い立たせてくれます。どんな時も形を変えて側にいてくれる1曲だと思います。
樋口:7月には「LOVE LOVE あいしてる 最終回・吉田拓郎卒業SP」でご本人と共演して、その曲を一緒に歌われたんですよね! そんな日が来るなんて夢にも思わなかったのでは?
奈緒:人生が変わったと思いました。母も喜んでくれて。世代が違う母と大好きな気持ちがリンクしたことは大切な思い出です。
衝撃を与えられるような作品を作っていけたら
樋口:あと、なんとプロレスがお好きだそうですね!
奈緒:はい(笑)。ちょうど2日前にも、葛西純さんのドキュメンタリーを見たばかりです。
樋口:そうですか! 彼も傷だらけでも長年頑張っていますよね。
奈緒:首も腰も痛めてて、体はボロボロなんですよね。ドキュメンタリーでも弱っている葛西さんが映っていて大変だなって思ったんですけど、生の試合を見たらそういうのも一気に吹き飛ぶぐらい熱狂させてくれて。やっぱりプロレスって、すごいエンタテインメントだなって思いました。
樋口:そうですよね。それにしても王道の新日本プロレスではなく、葛西さんってところがすごい(笑)。共感するものがあったんですか?
奈緒:葛西さんの試合を初めて見た時に、「何これ!?」って衝撃を受けたんです。自分の中にないまったく新しいものと出会った衝撃でした。エンタテインメントって、共感はもちろん、まったく共感できないものとの出会いや衝撃も与えてくれるじゃないですか。
それは同じエンタテインメントである映画にも言えることだと思っていて、映画館や劇場でしか体感できないもの。だから葛西さんみたいにデスマッチはできないけれど(笑)、私も映画を通してそういう衝撃を与えられるような新しい作品を作っていけたらいいなって思いました。
樋口:奈緒さんならではの視点ですね。すごく興味深いです。