「最もよく知られている接骨院(ほねつぎ)は、国家資格の柔道整復師が外傷によるケガの打撲・捻挫・挫傷の施術、骨折・脱臼の応急処置を行っているところです。指圧やマッサージは国家資格のあん摩マッサージ指圧師が在籍していることが多く、手を使って揉むなどの施術をするところと考えるといいでしょう。鍼灸院は国家資格のはり師・きゅう師が鍼灸を用いた施術を行うところです」(Dr.Koalaさん)
このほか、アメリカで考案された脊椎矯正手技療法であるカイロプラクティックや、整体やストレッチ、リラクゼーションを標榜する店舗もあるが、これらは日本では国家資格がない。
国家資格があるかないか
厚生労働省は、あん摩マッサージ指圧師、はり師及びきゅう師と無資格者との判別のためのリーフレット「あん摩マッサージ指圧、はり、きゅうを受ける皆様へ」を公開している。本来、医師以外が、あん摩マッサージ指圧、はり、きゅうなどを仕事として行うには国家資格が必要だ。
しかし、医業類似行為での健康被害の例を見ると、さまざまな施設において問題が起きていることがわかる。
国民生活センターによると、整体やマッサージなど、器具を使用しない手技による医業類似行為を受けて危害が発生したという相談が、2007年度以降の約5年間で825件寄せられており、件数は増加傾向にある(国民生活センター「手技による医業類似行為の危害-整体、カイロプラクティック、マッサージ等で重症事例も-」)。
「医業類似行為は、資格のあるなしにかかわらず、施術者の個人の技術によるところが大きいかもしれません。いずれにしても、つらい腰痛を繰り返さないためには、日常生活で無理な姿勢を取らないよう気をつけ、程よく運動をして筋肉を保持しましょう」(Dr.Koalaさん)
(取材・文 / 大西まお)
参考:
柔道整復師法
あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律
整形外科専門医、医学博士。大学病院、市中病院に勤務後、整形外科クリニックを開業。診療の傍ら、インターネット上で情報提供を行っている。さまざまな分野の専門家との共著書に『子どもを守るために知っておきたいこと』(星海社)がある。
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