猪木氏「超型破りの人生」、日本人が学ぶべき3本質 「自分にとってのモハメド・アリ」に挑戦せよ!

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【2】リスクを恐れない攻めの挑戦――「自分にとってのモハメド・アリ」を探せ!

また猪木氏は「稀代のリスクテイカー」であった。大借金をつくることを恐れず、果敢に、時に無謀な投資をしてきた。

前述のモハメド・アリ戦も、巨額のファイトマネーを準備するめどもつかないまま名乗りをあげ、実現後は巨額の借金を抱えることとなった。

石橋を叩いても渡らない日本人が多い中、猪木氏は「橋」がなくても逆流の中を泳いで渡るような人物であった。

全盛期の新日本プロレスで稼いでいた大金をブラジルなどでの事業に注ぎ込みすべて溶かしてしまい、会社を存亡の危機にも立たせてきた。

もちろん猪木氏に近い人物のなかには猪木氏を悪く言う人も少なくないが、遠くから見ている分には、「これほど面白い型破りな人」はそういなかった

もしも日本中に猪木氏のような「リスクテイカー」がいたら、「企業の内部留保積み上げすぎ問題」など決して存在しなかったことだろう。

政治家でも「型破りな活躍」まさにグローバル人材

政治家に転身した後も、猪木氏はじつに「型破りな活躍」を見せた。

たいていは元プロレスラーやタレント議員は何もできずに終わるのだが、猪木氏は議員時代に湾岸戦争の時にイラクに向かって「日本人人質の解放」に貢献したり、冷え込んだ日朝関係の中、北朝鮮で張成沢(チャン・ソンテク)クラスに会える、政権中枢へのパイプになったりもした

北朝鮮では、15万人規模の観客を集めたプロレス興行も開催している。この興行でも新日本プロレスは大きな赤字を抱えたが、資金繰りを気にせず、大きな仕事を世界規模でこなす「グローバル・アントレプレナー」でもあった。

リスクを恐れず、周囲の反対を完全無視して「大胆な行動」ができるようになったきっかけといえる「原体験」についてインタビューで聞いたとき、猪木氏は「皆が無理だと思っていたアリ戦を実現したことかな」と私に語ってくれたものである。

このことは、私たちも、人生で「自分にとってのモハメド・アリ戦」に挑戦する大切さと勇気を教えてくれる。

次ページ「人生をかけた真剣勝負」を見せてくれた
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