中小企業「補助金もらってDX化」甘すぎる2大理由 長い目でコストを考えず、安易に始める残念さ

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中小企業にとって大事なのは、外部からデジタル人材を連れてくるよりも、社内の業務に精通し、人望もやる気もある非デジタル人材に、デジタルを学んでもらうことだと筆者は語ります(写真:metamorworks/PIXTA)
昨今、声高に叫ばれているDX。「デジタルトランスフォーメーション」を意味し、企業がAI、IoT、ビッグデータなどのデジタル技術を用いて、業務フローの改善や新たなビジネスモデルを創出させることを意味します。
しかし、高度な専門的知識を必要とするためDX人材は足りておらず、とくに資金力で大企業に劣る中小企業が採用することは難しくなっています。では、中小企業はいったい何をすればいいのでしょうか。
長尾一洋さんの新書『デジタル人材がいない中小企業のためのDX入門』より一部抜粋・再構成してお届けします。

中小企業にとって大事なのは、外部からデジタル人材を連れてくるよりも、社内の業務に精通し、人望もやる気もある非デジタル人材に、デジタルを学んでもらうことです。

また、学んでもらうと言っても、プログラミング技術のような専門的な知識を身につける必要はありません。挑戦していただきたいのは「No Code(ノーコード)」。

ノーコードとは、ノンプログラミング、つまりプログラムを書かずに、システムをつくったり変更したりできるシステムのことです。それができるツールを、ノーコードツールと呼びます。

つまり、ノーコードツールを使って、自社に必要なシステムを設計できる人材(ノーコーダー)を育成すればいいのです。

誰をノーコーダーにするべきか?

ここでは社内でノーコーダーをどのように育てるか、考えていきましょう。

ノーコーダーに必要なのは「設計」のセンスです。「こういうシステム(仕組み)があったら、業務がもっと改善できる」と考えるのが得意な人が望ましいでしょう。

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