中小企業「補助金もらってDX化」甘すぎる2大理由 長い目でコストを考えず、安易に始める残念さ

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

みなさんの会社のシステム担当者は大丈夫でしょうか。当事者意識を持って貢献してくれるか、冷静に見極める必要があります。

また、経営者も、一度はノーコードでのシステムづくりにチャレンジしてください。どれくらい大変なのか、どれくらい手間のかかることなのか。そういうことを体感として知っておくと、今後、ノーコーダーの仕事を評価する際に役立ちます。

完成品というのは、よくできていればいるほど苦労の跡が見えないものです。プロセスを知らないと、簡単にできたように感じてしまって、せっかくがんばってくれたノーコーダーへの感謝やねぎらいが不足し、不満のもとになることもあります。

そのせいで、せっかく育てたノーコーダーに逃げられてしまったら、目も当てられません。

ノーコードでアジャイル型の開発が実現できる

DXを語る際のシステム開発の手法としてよく比較されるのが、ウォーターフォール型とアジャイル型です。

アジャイル型グラフ
出所:『デジタル人材がいない中小企業のためのDX入門』

ウォーターフォールというのは滝のことで、上から順に降りてくる開発手法を指します。それに対してアジャイル(agile)は、直訳すると「素早い」「機敏な」という意味で、決まった設計書通りに進むのではなく、トライ&エラーを繰り返しながら「機敏に」開発を進めていく手法です。

アジャイル型の開発は、デジタル人材がおらず、外部IT業者に頼らざるをえない中小企業では実現不可能です。なぜなら、システム開発の費用や時間の見積もりができないからです。

システム開発を請ける業者は、事前に要件が決まっていれば、初期の段階で設計をある程度固めることができます。ウォーターフォール型だからこそ、工数の見積もりができ、金額を提示できるのです。途中で要件が変わったりすることもあるので、その分のバッファ(余裕)を乗せて見積もりを出すこともあります。

次ページ最初から業者に丸投げという発想は捨て去って
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事