中小企業「補助金もらってDX化」甘すぎる2大理由 長い目でコストを考えず、安易に始める残念さ

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ローコストも非常に大切なことです。しかも、これは、一度きりのコストで考えるのではなく、長い目で見る必要があります。

現在は、国がDXを推進していることもあり、さまざまなIT導入のための補助金があります。

ITベンダーや銀行、顧問税理士や社会保険労務士の先生などから「補助金が使えるから」という理由で、システム導入をすすめられたりしていないでしょうか。

「思ったよりコストがかかるけど、補助金が半分出るならいいか」といった意思決定をしている社長も多いと聞きます。

補助金に頼る必要はない

もちろん、もらえる補助金はもらってください。ただし、社長たる者、先々のことまで考えて判断しなければなりません。導入時には多額の補助金がもらえたとしても、そのシステムをずっとローコストで使い続けることは可能でしょうか。

甘すぎる1つめの理由:システムをずっとローコストで使い続けることが可能かを考えていない
『デジタル人材がいない中小企業のためのDX入門』(KADOKAWA)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします 

導入から1年後、なんらかのトラブルがあったとして、自分たちでは直せない。不都合があっても、自力では改善できない。バージョンアップもできない……。

そのたびに外部ベンダーに依頼するとなると、コストがどんどんかさみます。

また、補助金があるからと安易に導入したものの、ほとんど使わずに放置している会社もあります。

どうしても導入したいシステムがあって、そのために補助金を使うのはOKです。反対に、補助金がもらえるからという理由で、システム導入を決断するのはNGです。無駄なシステム投資になってしまうでしょう。

甘すぎる2つめの理由:いくら補助金を活用するとは言え、使えなければ無駄なシステム投資になってしまうだけ

正直に言えば、私自身は「補助金は必要ない」と考えています。なぜなら、ノーコーダーがいれば、システムも安く、ローコストでも十分にやっていけるからです。

デジタル人材の代替の鍵は、「ノーコード」と「ローコスト」なのです。

長尾 一洋 NIコンサルティング代表取締役/中小企業診断士

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ながお かずひろ / Kazuhiro Nagao

最古にして最強の兵法書『孫子』の智恵を、現代の企業経営や営業活動にどう応用すべきかを説く兵法家であり、経営コンサルタント。『孫子』を単なる中国古典の解説で終わらせず、リアルなビジネスに応用・実践してもらうべく、『孫子』の講座やセミナー講師を多数務める。 『必勝の営業術55のポイント』(中央経済社)、『小さな会社こそが勝ち続ける 孫子の兵法 経営戦略』(明日香出版社)、『まんがで身につく孫子の兵法』(あさ出版)、『仕事で大切なことは孫子の兵法がぜんぶ教えてくれる』(KADOKAWA)など多数の著作がある。

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