──推し活を考えるに当たって、ファンコミュニティーへの参加や、そこでの仲間意識に注目している点が新鮮です。
近年、サブカルチャーの世界には、「萌(も)え」から「推し」へという大きな変化がありました。
特定の対象に熱中する点は両者に共通しますが、気持ちの表現の仕方はずいぶん違います。萌えの時代に重要だったのは、好きなキャラクターから褒められたい、自分を認めてほしいという「承認欲求」でした。またキャラクターとの1対1の関係性を、それぞれが思い描いていたのも当時の特徴です。
一方、推し活をする人はしばしば「推しが尊い」と言います。遠く高いところにいる存在を、仰ぎ見るような感覚で応援しているのです。「このすばらしい存在を皆で一緒に盛り立てていこう」という共通認識の下、SNSやイベントを通じて推す。そこには明らかに、集団性があります。
息を吹き返した所属欲求
──「萌え」が自己完結的であるのに対し、「推し活」では他者との関わりが生まれやすいと。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
東洋経済ID 会員特典
東洋経済IDにご登録いただくと、無料会員限定記事を閲覧できるほか、記事のブックマークや著者フォロー機能、キャンペーン応募などの会員限定機能や特典をご利用いただけます。
東洋経済IDについての詳細はこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら