ティモンディ高岸をプロ野球に導いた会社の正体 野球人を「人材」と捉えて活用するビジネスモデル

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元巨人の村田修一(写真:筆者撮影)

「野球の垣根を越える」は、エイジェックグループのキーワードかもしれない。「薩摩おいどんカップ」も「エイジェックチャンピオンシップ」もそうした一環のように思える。エイジェックでスポーツ文化メディア事業統括本部を率いる小池康之本部長は次のように語る。

「うちは野球だけに特化しているわけではありません。サッカーやバスケットなど、スポーツ全般を対象とした事業を展開しています。とはいうもののグループ代表の古後、栃木県民球団社長の江部、そして私も学生時代は野球という競技で成長させていただきましたので思い入れは強いですね。

スポーツ事業部を立ち上げたのは6年前でしたが、基本的にはアスリートのセカンドキャリアを構築しながら、多くの人々がスポーツに関われる環境を作るということですね。魅力ある環境が整えば人が集まってくる。多くの人が集まり、スポーツ文化が繁栄するという大きなところから戦略を組み立てています。

今回の取り組みだけで、弊社はプロである独立リーグ、社会人、大学、に加えて中学硬式野球、女子野球も含めて各カテゴリーをカバーすることができるようになりました。その各カテゴリーで開催されるスポーツイベントのマネジメントを行うことで、大会の興行運営、広報活動から、主催企業、地域行政との折衝までさまざまな業務の経験値を高めることができます」

「スポーツのビジネスチャンスは広がっていく」

コロナ禍で、プロ野球から独立リーグ、アマチュア球界も、行動制限を強いられて大きなダメージを受けた。エイジェックグループもその影響は小さくなかったのではないか。

「私どもはスポーツイベントの運営を数多く担当し、観客のアテンドや入場導線、施設の安全管理などのノウハウを蓄えていました。また医療系の法人もグループ内にあり、新型コロナのワクチン接種会場の運営や備品の調達などスポーツ興行の運営経験を生かし、さらにグループ全社の業務機能を使い、行政と連携して担当させていただきました。これは1つの事例にすぎませんが、その他にもグループの総合力でコロナ禍でもバックアップすることができています」

今後はどのような事業を展開するのだろうか?

「プロチームの試合が行われるスタジアムから、行政が保有する総合運動公園などの指定管理業務による地域のスポーツ振興にも取り組んでいきたいですね。一方で野球、サッカー、バスケットボールなどのプロリーグ、トップリーグ、トップチームと連携をしたプロモーション業務を行っていきたい。

さらにアスリートのセカンドキャリアから、現役選手、OB文化人のマネジメント、メディア映像、書籍出版、グッズの企画販売など、スポーツを核としたさまざまなビジネスを展開していきます。その体制は整ったと考えています。それに加え、青少年の育成、地域貢献活動でもあるスポーツアカデミーやスクール運営にも力を入れていきたいと考えています。野球をはじめ、スポーツのビジネスチャンスはどんどん広がっていくと思います」

とかく「縦社会」「ムラ社会」と言われる日本のスポーツ界にあって、エイジェックグループは「横展開」で障壁を次々と破って新たなビジネスを展開してきた。最近の野球人はとかく「野球は先細り」というが、固定概念を取っ払った同グループから見れば「有望な鉱脈」にほかならない。野球界にもこうしたパラダイムシフトが必要なときが来ているのだろう。

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