ビジネスに必要なセンスは「茶道で身に付く」の訳 スティーブ・ジョブズも取り入れた「禅」の精神

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「ビジネスパーソンにとって有益な資質が養われる」と話題の、茶道の効能について解説します(写真:riyat/PIXTA)
茶道の新たな価値が注目され始めています。「近年、茶道を始めるビジネスパーソンが増えている」「ビジネスパーソンにとって有益な資質が養われる」と、メディアで話題を呼んでいるのです。
実際、茶道はビジネスパーソンの「癒やしとリフレッシュ」「仕事に使える教養の習得」「高い価値観を磨く人間修養」に大いに役立つとされ、また、「デザイン思考」「アート思考」などの右脳的思考も養われます。きめ細やかな配慮の心が育つことで、コミュニケーション力がアップするとともに、繊細な美を見出す感性が磨かれます。
不確かで複雑で曖昧でストレスフルなビジネス環境下で発揮する茶道の“効能”を、医師である著者が医学的に解説。書籍『大切なことはすべて茶道が教えてくれる』から、3回にわたってお伝えします(今回は2回目)。
1回目:「茶道は古い」と思う人に伝えたい、驚くべき効能

世界で高い評価を得ている

「日本発」として世界で高い評価を得ている文化のひとつは、茶道の精神性のベースである禅です。

禅の基本的な修行である坐禅を、毎日のルーティンとしてライフスタイルに取り入れている成功者は数えきれません。Appleの共同創設者、スティーブ・ジョブズ氏をはじめ、Twitterの創業者であるエヴァン・ウィリアムズ氏、ドキュメンタリー映画監督のマイケル・ムーア氏、総合格闘家のヒクソン・グレイシー氏などが禅を実践していることを公言し、その精神性や効果について語っています。

そして禅をもとにした「マインドフルネス」とともに、本来の禅をおこなう海外の人々、とくにビジネスパーソンは近年、確実に増加しています。それは現在、ビジネスに求められているクリエイティブな発想、アート思考に役立つことが、彼らには理解されているからです。

海外の人々の禅に対する興味や理解は、私たち日本人を超えていると感じることがしばしばあります。

禅はそもそも、6世紀頃に中国に渡来した、南インド出身の菩提達磨(ぼだいだるま)という僧侶が伝えた精神統一術のことで、日本には13世紀の鎌倉時代、中国で学んだ道元(どうげん)が伝え、室町時代には幕府の庇護のもと発展していきました。日本で「禅宗」という場合、曹洞宗、臨済宗(りんざいしゅう)、黄檗宗(おうばくしゅう)を指しています。

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