【ダニ・虫】刺されたら「ステロイド」最強な理由 秋に繁殖、家のダニ対策、危険なダニも紹介

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「それで、『なぜ、私だけなの……』と、“ダニ・ノイローゼ”ともいえる状態になってしまうという話も聞きます。でも、私からみれば、今の住環境で、ダニと無縁の生活を送るということのほうが難しい。敵を知らずして対策なし。どうすればダニの増加を防げるのか、それを考えていただきたいです」

ツメダニでもっとも注意すべきところは「畳」だという。

「ツメダニが多い住まいの(ダニ)発生源は、新しい畳であることがほとんど。新築の家であっても、リフォーム直後の家でも、新しい畳があれば、そこにダニがいると考えたほうがいいでしょう。理由は、新しい畳ほど湿度が高いからです。それに対し、ヒョウダニは住まいの至るところで繁殖します」

そして、こうアドバイスする。

「日ごろからまめに掃除機をかけ、年に1~2度は大掃除をしましょう。ふとんも丸洗いしましょう。畳やソファ、マットレスはこまめに日光干しをし、掃除や洗濯などでゴミを溜めないように。畳の上にじゅうたんを敷くようなことは絶対にしてはいけません。押し入れ、クローゼットも頻繁に通気して、湿気をなくしましょう。思い切って畳をやめるのも1つの手です」(高岡さん)

怖い感染症をもたらすダニ

病原体を媒介するダニに刺されてしまうと、思わぬ感染症にかかることも。そこで、最後に“危険な感染症”を取り上げる。

「まずは『ツツガムシ病』です。これは細菌の一種であるリケッチアを持つダニの一種、ツツガムシに刺されて感染する病です」

リケッチアの潜伏期間はおよそ1週間、その後に発疹が現れ、40度近い高熱が出る。

「ツツガムシ病はテトラサイクリン系の抗菌薬を投与すれば治ります。しかし、症状だけでは診断が付かないため誤診されることも多く、別の病気と診断されて、普通の抗生物質を使ったために血小板が減少して重症化したという事例も報告されています」(渡辺さん)

日本感染症学会のホームページによると、日本では北海道を除く全国で発生が見られている。野山や河川敷などの草むらにいるツツガムシに刺されると感染する。国内の感染報告は年間400~500例で、ピークは5~6月と、11~12月だ。

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