【ダニ・虫】刺されたら「ステロイド」最強な理由 秋に繁殖、家のダニ対策、危険なダニも紹介

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もう1つは、野山に生息する、ボレリアという細菌を持つマダニによって吸着される感染症「ライム病」だ。長野県の上高地など、本州の中部以北で多く見られる。

「病原体が全身に広がると、神経症状や心疾患、筋肉炎などを起こします。こちらも抗菌薬が有効ですが、やはりツツガムシ病と同様に鑑別が難しい病気なので、この病気に詳しい医師に診てもらう必要があります。心筋梗塞や関節炎など、のちに症状が出ることもあります」(渡辺さん)

SFTSというウイルスを保有するマダニに刺される感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」にも注意したい。血小板と白血球が減少し、症状としては発熱、嘔気、嘔吐、腹痛、下痢、下血などだ。ときに腹痛や筋肉痛、神経症状なども見られる。

ダニ・虫に刺されないポイント

野生動物が多くいる環境にはマダニも生息していると考えて、キャンプや山登りなど、野生動物がいるような場所に行く際には、長袖、長ズボンを着用するなど、肌の露出を控えるなど、徹底した対策をしよう。

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「手首、足首など、『首』という名がつくところから(ダニや虫は)入ります。また、二の腕やお腹、ももの内側など、やわらかいところの皮膚をダニは好みます。衣服の末端を縛って、なるべく虫が入らないようにしましょう。虫よけスプレーも有効です」(渡辺さん)

(取材・文/大崎百紀)

帝京大学名誉教授
渡辺晋一医師

東京大学医学部卒業。東京大学医学部皮膚科医局長、アメリカ・ハーバード大学留学、帝京大学医学部皮膚科主任教授などを歴任。アトピー性皮膚炎やレーザー治療、皮膚真菌症研究のスペシャリスト。著書に「間違いだらけのアトピー性皮膚炎診療―なぜ日本の患者は治らないのか、どうすれが治るのか」(文光堂)など多数。
 
ペストマネジメントラボ代表取締役
高岡正敏獣医師

日本獣医畜産大学獣医学科卒業。東京大学医科学研究所寄生虫研究部、東京医科歯科大学医学部医動物研究室、獨協医科大学医動物学教室などでの研究、講師活動を経て、埼玉県衛生研究所に移り退職後の2008年、ペストマネジメントラボを設立、代表取締役に就任。著書に「ダニ病学-暮らしのなかのダニ問題」(東海大学出版会)など。
東洋経済オンライン医療取材チーム 記者・ライター

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とうようけいざいおんらいんいりょうちーむ / TKO Iryou-Team

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