自己評価の低い人が持つ「社会を変える可能性」 「Believe It」は挑戦者の背中を押す「お守り本」
「あなたのような見た目の人から化粧品を買う女性がいるとは思えない」と言われてもはい上がり、ついには、化粧品最大手のロレアルに約1500億円という巨額で自社を売却し、ロレアル内で初の女性CEOとなった起業家の自伝『Believe It(ビリーブイット) 輝く準備はできてるか』がついに翻訳出版された。
原書はNYタイムズ、ウォールストリートジャーナル、 USA TODAYでベストセラー入りを果たし、話題書となっている。
"無いものにされる痛みに想像力を"をモットーに、弱者の声を可視化する取材・執筆活動を行い、この9月に新刊『死にそうだけど生きてます』を刊行したライターのヒオカ氏は本書をどう読んだのか。ヒオカ氏の書評をお届けする。
多様性は生まれつつあるけれど…
化粧品のモデルは、まるで加工したように、毛穴一つない陶器のような肌。
シャンプーのモデルはどう見ても生まれつきの直毛、ダメージのない艶のある髪。
下着のモデルは嘘のように手足がほっそりとしていて長く、肌も驚くほど滑らか。
こんな日常の風景に違和感を抱いたことはあるだろうか。
最近、モデル業界に多様性が生まれつつある。
ファッション業界でも美容業界でも、さまざまな肌の色、体型のモデルを見ることが増えた。
しかし一方で、例えば下着のモデルに従来のような華奢な体型ではないモデルが起用されたと思ったら、そのモデルはやっぱり肌はつるんと滑らかで、ニキビ・毛穴は一切見えない。
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