自己評価の低い人が持つ「社会を変える可能性」 「Believe It」は挑戦者の背中を押す「お守り本」

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アンチの心無いコメントにさらされるのは、自分が、「偉大な功績への途上で自分のコンフォートゾーンから一歩踏み出している」証拠なのだと、リマ氏は教えてくれる。

これには非常に共感するところがある。

私自身、ライターになり、記事が注目を集めるほど、中傷するようなDMも多く届くようになった。反響が大きいほど、それに比例して、否定してくる声も大きくなる。

でもそれは、なにもしていなければなかったこと。

自分のコンフォートゾーン、つまり居心地のいい安全な場所から踏み出して、挑戦している証しなのだ。

挑戦することの楽しさと尊さ

リマ氏は言う。

『あまりにも多くの女性が、人生においても、夢という舞台でも、脇役に甘んじて終わってしまう。というのも、準備ができていない、資格がない、まだダメだと感じているからだ』
『チャンスをつかみ、ビジネスを起ち上げ、業界に物申し、不公平に異を唱え、自分だけの光を輝かせてもらいたい』

多くの人が、自分には価値がない、自分はダメだ、と自分の可能性を自分で押さえつけてしまっているのかもしれない。

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でも、本当はやりたいことがあるんじゃない? 本当はおかしいと思っていることがあるんじゃない? 本当はこうなったらいいと思う願いを秘めているんじゃない? そう、問いかけられているような気がする。

自分の確信を信じること。自分の夢をまっすぐ見据えてそれに向かって歩き始めること(リマ氏はいつも全速力で走っているけれど)。

その大切さと、そこでしか得られないあふれる喜びやどうしようもない興奮があること。挑戦する楽しさ、そして尊さを、リマ氏の物語は教えてくれる。

ヒオカ ライター

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ひおか / Hioka

1995年生まれ。地方の貧困家庭で育つ。noteで公開した自身の体験「私が"普通"と違った50のこと――貧困とは、選択肢が持てないということ」が話題を呼び、ライターの道へ。"無いものにされる痛みに想像力を"をモットーに、弱者の声を可視化する取材・執筆活動を行い、「ダイヤモンド・オンライン」(ダイヤモンド)、「現代ビジネス」(講談社)、「mi-mollet(ミモレ)」(講談社)などに寄稿。若手論客として、新聞、テレビ、ラジオにも出演。連載に『貧しても鈍さない 貧しても利する』(婦人公論.jp)がある。

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