③ 物覚えが悪い人は「覚えられないのは努力が足りないせい」と思っている
物事を覚えようと思ったら、そのために時間をかけたり、努力したりすることは確かに大切です。では、たくさんの物事を覚えようと思ったら、休憩する間も惜しんでとにかく机に向かい続けなければいけないのでしょうか。
いえ、そうではありません。勉強のプロたちは、そうしたスパルタの方式ではなく、むしろ休憩をうまく使うことを勧めています。脳科学の分野では、休憩を挟まずにまとめて勉強する「集中学習」と、小刻みに休憩を挟む「分散学習」を比べると、分散学習のほうが記憶に定着しやすいことが明らかになっているのです。
「最初」と「最後」に提示された情報は残りやすい
なぜ休憩が大事なのか。その理由の1つとして、「初頭効果」と「親近効果」が挙げられます。
・初頭効果……「最初」に提示された情報は記憶に残りやすい
・親近効果……「最後」に提示された情報は記憶に残りやすい
「最初と最後の記憶が残りやすい」という脳の特性を踏まえると、「最初」と「最後」の回数を増やすことで、学習効果を高めることができるのです。
たとえば、何かを覚えたい場合に、休憩を入れずに1時間、机に向かい続ける場合に生じるのは、「初頭効果1回、親近効果1回」です。一方、1時間の間に一度、小休止を挟めばそれだけで、「初頭効果1回、親近効果1回」を2回繰り返すことができます。
さらに、休憩を挟むことで集中力も高まるので、「初頭効果」と「親近効果」が生じていない時間の質も変わるでしょう。
休憩を入れるタイミングについては、100冊の中の多くの本で「集中力が切れたら」と書かれてありました。集中が続く時間には個人差がありますので、勉強でも仕事でも、自分の集中力の持続時間に合わせて休憩を挟むことで、限られた時間でも、より学びの質を高めていくことができるでしょう。
以上、シンプルではありますが、記憶力を高めるには、
① 脳が「この情報は大事だ」と判断できる程度に振り返る
② アウトプットの意識を持つ
③ 休憩を上手に取り入れる
の3つに気をつけるのがいいでしょう。
そうするだけで、かける時間が変わらなくても、記憶への残り方は格段に変わるはずです。
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