また、昨年10月に第4回大会を終えた大阪マラソンも、フルマラソンのエントリー総数は第1回の15万4822人から年々減少。第4回は13万7768人の応募にとどまった。長く続いてきたランニングブームは落ち着きを見せており、もしかしたら終焉を迎えつつあるのかもしれない。そうなると、この10年で一気に増えた大規模都市型レースは、東京、大阪などメジャー大会を除くと、定員を集めることが難しい大会が出てくることも考えられる。
古くからのランニングファンの本音
ブームが落ち着きつつある一方で、以前からの熱烈なランニングファンをしっかり囲い込めているかというと、そうともいえないかもしれない。依然として、大会に出場しにくい状況が続いているのだ。
主な理由はふたつ。ひとつは出場したくても抽選になること。もうひとつはエントリー費の高騰だ。
抽選に関しては、東京の約10倍を筆頭に、大阪で約5倍、昨年新設された福岡も約3倍だった。そのほかの大会でも抽選というところが多い。これはランナー人口の増加だけでなく、以前と比べて複数のレースを同時にエントリーするランナーが激増したことも理由だろう。本当は東京マラソンに出たいけど、落選する可能性が高いから、ほかのレースにも申し込んでおこうという「とりえずエントリー」型ランナーの存在が、抽選倍率を押し上げている。
そして、エントリー費。東京マラソンがエントリー費1万円を打ち出したとき、ランナー仲間の間では、「ちょっと高いよね」という話になった。当時は、ハーフが3000~3500円、フルでも4000円前後が相場だったからだ。
筆者は第1回の東京マラソンに出場したが、個人的には1万円を払って走るだけの価値はあると思った。大都会のど真ん中を堂々と走ることができるし、大勢のランナーとゴールを目指す感動は、過去に体験したことがないものだったからだ。
2007年以降、新設された都市型マラソンのエントリー費は東京を見習うかのように、1万円というところが多い。この流れに便乗するように、東京がスタートする前と比べると、板橋マラソン(旧・荒川マラソン)は4500円から6000円に、つくばマラソンとかすみがうらマラソンも3700円から6000円にエントリー費を値上げしている。
3月15日に第1回を迎える横浜マラソンのエントリー費が1万5000円だったこともちょっとビックリした。東京マラソンの約1.5倍とはずいぶん強気だなと思ったが、それだけではなかった。エントリーするのにローソンPontaカードの入会が必須で、エントリー費以外に、システム手数料(216円)と受付手数料(750円)が必要になるというのだ。それでも、フルマラソン(一般枠)の抽選は3.4倍。この事実にはさらに驚かされた。
しかも、近年はゼッケンの引き換えをレース前日までに現地で済ませないといけない大会も増加。前泊を余儀なくされる場合もある。
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