「魚が獲れない」は世界で日本だけという衝撃事実 世界で見ると漁獲(生産)量は2億トンに倍増

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次に世界全体の漁獲量推移のグラフを見てみましょう。天然と養殖を合わせ右肩上がりに増えています。1988年に1億トンに達した水揚げ量は、2020年では2億トンと倍増しています。

天然と養殖物について見てみると、天然物が横ばいであるのに対して、養殖物の数量が著しく伸びています。天然魚の水揚量は頭打ちのように見えます。しかし実態はそうではありません。

わが国は獲れるだけ獲ろうとしてそれでも獲れない状態です。一方で、北欧、北米、オセアニアなどの漁業先進国は、実際に漁獲できる数量より「大幅」に天然魚の漁獲量を制限しています。そして漁業で成功している国に共通しているのが、サスティナビリティを考慮している点です。

世界で漁獲量が増える一方で日本は減少

日本と世界の漁獲量推移を比較した上のグラフをご覧ください。世界では漁獲量の増加が進んできた時期に、日本では1200万トンから400万トンへと逆に3分1に激減しているのです。

世界全体の水揚量は増え続けているのに、日本だけが多くの魚で減り続けています。しかしこの「異常」な現実は、一般にどころか、社会科を教えているような先生方にも、ほとんど知られていません。

なぜ、子どもたちに教える先生が、世界と日本を比較した魚の資源状態のことを知らないのでしょうか? それは、先生方がその現実を学ぶ機会がほとんどないからです。

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