「面白いことしたいよね」とは言うけれど、その本人は絶対に面白いことを思いつかないというのも、こういうところだと思いますね。ユーモアというのは、もっと柔軟なものなんです。
職場にユーモアを作るには、余白が必要です。日本人は、忙しすぎて笑っている暇がありません。
プレイングマネージャーとして、「劣後順位」で不要なものを捨てなさいとは言われますが、何を捨てていいかわからず、未来を描く力もないから、余白が作れない。ここは、日本にユーモアを浸透させるためのポイントでもあります。
ユーモアは物事を多面的に見る思考法
笑いは思考法でもあります。大阪にNSCというお笑いの学校がありますが、最初の授業で「紙にコップを描いてください」という課題が出されます。
みんな、普通にコップの絵を書きますよね。ところが、それを描いた奴は全員売れないよ、と言われるのです。普通のコップではなく、上から見た円だけのコップ、下から見たコップ、あるいは「コップ」と字で書くなど、つまりは物事を多面的に捉えることが笑いなのだと教えられるわけです。
物事を多面的に捉えるということは、「面白がる力がある」ということでもあります。売れっ子の芸人は、「財布を落としました」「離婚して一家離散しました」ということを面白がりながら話しています。普通に考えたら、みんな変な人たちですよね(笑)。
でも、彼らは物事を面白がる力が強い。不幸な体験でも、多面的に見て、こう話すと人が笑う、面白い経験になるということを知っているわけです。
困難を笑えるかどうかということでもあると思います。そういう力を養うことが、ユーモアというものでもあるのでしょうね。
そして、『ユーモアは最強の武器である:スタンフォード大学ビジネススクール人気講義』や、拙著『「ウケる」は最強のビジネススキルである。』にも書かれていますが、このユーモアという思考法は、誰でもトレーニングすることができるのです。
(構成:泉美木蘭)
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