「誰も笑わないシーンとした職場」が抱える大問題 笑いや雑談は社員の関係性や生産性を高める

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営業パーソン向けに、お客様の心をつかむ「アイスブレイク」という手法をお伝えしていますが、この手法を伝えた人と、伝えていない人、それぞれ100人に営業に出てもらうと、伝えた営業担当者の成約率が、平均9ポイント高くなったのです。

ユーモアを面白がれるかどうか

笑いには、信頼関係を構築する力がありますよね。みんなが持っている「面白い」という感情で、人と人とを結びつけるのがユーモアのパワーだと思います。

弊社では、アイスブレイク(つかみ)として、B5サイズの巨大な名刺を出しています。

下にあるのは普通サイズの名刺入れ。中北氏から巨大な名刺を見せられると、たいていの人は笑ってしまうだろう(筆者提供)

「デカッ」となりますよね。名刺入れにも入らない大きな名刺ですが、ここでリアクションがない人は、基本的にユーモアが通じませんので、弊社とお取引する可能性が低いことがうかがえます。

ですので、こちらから積極的に営業をすることを避けます。すると、効率が上がり、巨大名刺を使用していなかった時期よりも、受注率が2.5倍ぐらいにまで上がりました。ユーモアは、相手の選定基準にもなりうるわけです。

ユーモアを面白がれるかどうかも大事ということですね。本書でいう「陽気のマインドセット」です。しかし、日本のほとんどの企業には、ユーモアを感じる場面が少ないです。

僕は、2012年にお笑い芸人から転職し、人事のコンサル会社に入りましたが、そのときに強い違和感を感じました。会議でボケてみたら、怒られたのです。それまでは、ボケて褒められていましたから、びっくりしました(笑)。

その後、コンサルとしていろんな会社の会議に参加しましたが、ふざけている人はいませんでした。そういう人は、「仕事ができない奴」というレッテルを貼られてしまう傾向があります。

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