「仕事中毒だと脳が老化する」脳科学者が言うワケ 「無趣味」は認知症発症につながる危険性がある

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「生きがいはなんですか?」

そう聞かれて、あなたならどう答えるでしょうか? 即答できた人は、脳の認知機能が衰えにくい人です。

アメリカで「生きがいと脳の関連性」を調べたこんな研究があります。

調査内容
 250人の高齢者を10年にわたり調査し、亡くなったときに脳を解剖。
 すると、生前に生きがいを持っている人と持っていない人で明らかな違いが判明。
 生きがいがある人は、脳が萎縮していても認知機能が高い。

「生きがい」があるだけで脳は大きく変化する

「生きがい」はこういうものじゃいけないという形はありません。その人が心からそう思えればなんでも大丈夫です。

植物を育てたい、切手を集めたい、ゴルフを極めたい、孫を育てる助けをしたい……、本当になんでもいいのです。

たとえば、アイドルを応援することが生きがいだというならそれでいいですし、スポーツのサポーターを本気でやるのもいいと思います。旅行を生きがいにするのもいいですね。旅行に行くという目標を設定するだけで実は認知機能が上がることがわかっています。

旅行の計画があると、その旅行に行くまでの間、なんだか頑張れたり元気が出たりしませんか? あの感覚です。計画を立てただけで脳の前頭前野が活性化しています。

また、大きな生きがいではなく小さく達成しやすい生きがいのほうが、前頭前野の先端にある前頭極と呼ばれる領域が活性化することもわかっています。

反対に生きがいがないと、脳の機能は下がってしまう可能性があります。

特にコロナの影響などで、外に出ない、運動もしない、さらに生きる目標もないとなると、脳にとってはマイナスが幾重にも重なってしまいます。認知症のリスクも当然高まります。

生きる目標を日常の中に組み込めるといいですね。

年間の目標であれば、旅行とか、コンサートに行くとか。日常の目標であれば、「この仕事が終わったらケーキを食べよう」とか。

毎晩の晩酌を楽しみに働いている人もいますが、これも脳科学的には正しい行動です。老人脳を改善したり、予防できる効果が期待できます。

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