どこの席を選ぶかで「会議」の成否が決まる理由 まず確認すべきは「ホワイトボード」の位置だ

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根回しには次の2つの意義がある、と私は思っています。

①誤解の回避
自分の意図を事前に参加者に伝えることで、誤解にもとづく当日の反対意見を回避
できる。
②会議の充実
会議の場では集まりにくい各自の本音を事前に把握しておくことで、当日の議論の充実を図ることができる。

数名規模で開催される会議でも、事前に根回しする(参加者と立ち話をするだけでも構いません)ことで会議レベルは格段に上がります。ただし気をつけたいのは、根回しといっても、会議当日の議論を事前にフィックスさせるものではないということです。それでは会議を行う意味がありません。

会議の司会を任されたとき、あなたはファシリテーターとしての腕を見られています。根回しという事前準備をすることで、会議の充実を図るとともに、「会議の司会といえばあなた」というくらい、その印象を高めてください。

06 席順に配慮する

想像してください。あなたは会議室に入りました。まず何をしますか? 会議室に入ったら、第一に、自分が座る席を戦略的に考えるようにしてください。

つまり、「自分の目的を最も達成しやすい席」を選ぶのです。

座席の位置で確認するべきはホワイトボードの位置

このとき優先順位を下げるべきは、日本古来のいわゆる「上座・下座」の概念です。この考え方は日本人以外、まったく気に留めていませんし、応接室での挨拶や宴席での接待とは違って、会議室での会議は実用優先であるべきです。

まず、確認するべきはホワイトボードの位置でしょう。自分が主導権を握りたいなら、必ずその近くに着席します。

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他の参加者との位置関係も重要です。

特に目の前に誰が座るかは大事です。面と向かって座ると、相手と深くコミュニケーションできる反面、これは「対決位置」ともいわれ、相手が反対意見を持つ場合、より反対を受けやすい位置になります。

逆に、隣合わせの席は「交流位置」と呼ばれ、営業シーンなどではこの位置に座るのが有効とされています。特に相手の周囲1.5メートル以内は「懐」と呼ばれ、刀が振り回せない至近距離です。心理的にも親近感や味方の意識が働くため、攻撃の対象になりにくいといわれています。

コロナ禍を経て、リアル会議が減った会社も少なくありませんが、リアル会議とオンライン会議を併用するハイブリッド環境であれば、会議室を使う機会もあるでしょう。

そのときは、会議室に入ったらまずこのように座る位置を考えることで、並みいる参加メンバーの中で、先手を打つことができるのです。

河野 英太郎 株式会社アイデミー取締役執行役員COO 株式会社Eight Arrows代表取締役 グロービス経営大学院客員准教授

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こうの えいたろう / Eitarou Kouno

1973年岐阜県生まれ。東京大学文学部卒業。同大学水泳部主将。グロービス経営大学院修了(MBA)。電通、アクセンチュアを経て、2002年から2019年までの間、日本アイ・ビー・エムにてコンサルティングサービス、人事部門、専務補佐、若手育成部門長、AIソフトウェア営業部長などを歴任。2017年には複業として株式会社Eight Arrowsを創業し、代表取締役に。2019年、AI/DX/GX人材育成最大手の株式会社アイデミーに参画。現在、取締役執行役員COOを務める。
著書に『99%の人がしていないたった1%のコツ』シリーズ、『社会人10年目の壁を乗り越える仕事のコツ』(ディスカヴァー)

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