「将来に絶望し続ける大学生」の危うい思考回路 不安を抱いて何もしていないことこそ問題だ

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およそ漠然とした不満や不安ほどたちの悪いものはありません。漠然としているがゆえに、対処の施しようがありませんし、つねに自分自身について回ることにもなりかねません。

そうではなく、問題を具体化することで、状況打開のための最初の一歩を踏み出すことができるのです。

そのようにして、ご自身のことに忙しくなり、また自分自身により関心を持つようになると、他人がどうのこうの、というのは気にならなくなります。

他人がイライラしていようが、不幸そうに見えようが自分は自分、というスタンスを自然に取ることができるようになります。

現状は、HMさんとして「自分自身が確立されてない」がゆえに、他人がどうのこうの、というのに意識がいってしまうのです。

近い間柄ならばまだわからなくもありませんが、通勤でたまたま見たヒトや、ネットニュースの見知らぬ他人の言動に自分自身の気持ちや人生を振り回されているようではいけません。

HMさんにとっていちばん関心を持つべきは、自分自身です。ですから、まずはご自身の不満や不安の背景にある根本の問題をキチンと把握し、それにあった打開策を見いだしていっていただきたいのです。文句を言うだけ言ったり、何もしないままでは何も変わりません。

不満や不安があるのであれば、その根本にキチンと向き合いましょう。そのようにして人生におけるご自身の問題を解決していけるようになると、ヒトとしても成長しますし、その過程で自分自身をもっとよく知ることができるようになります。

自分なりのポリシーが大切だ

人生においては自分自身の経験などに基づいた自分なりのポリシーや志、軸を持っているか否かが非常に大切であると、本連載でも何度も申し上げておりますが、まさにそういった行動の積み重ねにより人生の軸なんかは形成されていくものです。

不満や不安から逃げずに真っ向から向き合う。そのうえで、自分なりに、自分のペースで良い方向に向かって一歩一歩前に進む。それでよいのです。

そういった地道な活動の末に、良い人生が待っているものです。一発逆転を期待して何もしないのではなく、小さな行進や行動を止めないことが大切なのです。

そのようにして、HMさんが理想とするご自身の姿に少しでも近づけるであろうことを応援しております。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

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やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

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