美容ブランドの常識をぶち壊した彼女の逆転人生 コンプレックスを抱えていたからこそ成しとげた

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では、そう思い描いた末に何をしたか? 端的にいえば、彼女が選んだのは“発想の転換”だった。従来の常識とは正反対の方向から物事を捉え、そしてそれを実行したのである。

先にも触れたように、それまでのモデルが映し出していたのは“非現実”だったといっていい。ばっちり加工された、客観的に考えれば“どこにこんな人がいるの?”と思いたくなるようなタイプが商品の広告塔になっていたわけだ(それはいまもなお現存する傾向かもしれないが)。

だとすれば、自分の容姿になんらかのコンプレックスを抱いている女性が違和感を覚えても無理はない。それどころか、あまりにも自分とは違うモデルの姿を見るにつけ、さらに自己否定感を高めてしまうかもしれない。だとしたら、必ずしも“完璧な”モデルを使えばいいわけではないということになる。

そこでジェイミー・カーン・リマ氏は、こうした手段を選んだのだった。

<当時のほぼすべての美容ブランドとは違い、あらゆる年代、体型、肌色、肌トラブルを抱える女性たちをモデルに起用したいと私は思っていた。この手の商品には需要があるというだけでなく、もっと大きな何かが必要とされているはずだと、心から信じていた。
それは全女性を代表して、美容業界が打ち出している「憧れ」のイメージをめぐる文化を変えることだ。(17ページより)>

もちろん、それを実現するのはたやすいことではないはずだ。しかし、人生には分かれ道がある。やるか、やらないかだ。そして彼女は、前者を選んだ。パートナーとともに、リビングルームで起業したのである。

自分の見方を変える

<私たちは、会社を辞めて、リビングルームを拠点に自分たちの会社を始めた。トーク番組の司会をするという夢をあきらめることは悲しかったけれど、別の方向にある、もっと大きな使命を感じていた。夢を手放す時を知るのは、夢を追いかける時を知るのと同じくらい、大切なのだ。(21ページより)>
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